◎「いり(炒り)」(動詞)の語源
「いら(苛)」の動詞化。苛立たせるように、苛立つように、弱火で長い時間をかけ全体を加熱処理すること。焼くというよりも加熱乾燥させ焼けるほんの少し手前でやめるというような処理です。ほとんどの場合料理における調理法として言い、煮汁がまったくと言っていいほどなくなるまで加熱処理することも言います。「いりまめ(炒り豆)」「いりに(炒煮)」。
◎「いり(癒り)」(動詞)の語源
「慰(イ)」の動詞化。「慰(イ:中華人民共和国音、ヱ(we)イ)」はなぐさまり心安らかな楽しい状態になること、すること。「いり(癒り)」はそうなること。「藤七めが鼻の先で、さいなまねば腹が癒(い)ぬ」(「浮世草子」)。「どうかお心癒(い)るやうに…それにて御了簡下さりませ」(「歌舞伎」)。上一段活用。