◎「いよ(伊予)」

「いやを(射矢尾)」。射た矢のような尾(を)(のある地)、の意。後の四国・愛媛県・佐田岬半島の印象による名。これは四国一部の古い地域名です。『古事記』のいわゆる「島生み」ではこの「いよ」が四国全体を表す総称になっています。しかしそれは「いよ」の地域的個別的特性によるものではありません「おほやまととよあきづしま」の「島生み」の項。

 

◎「いよいよ(愈)」

「いやをいやを(彌を彌を)」。「を」は状態を表現します。何かが勢いをもって、程度を増し、進んで行くことを表現します。「いよいよ見まく欲しき(見たい)君かな」(『古今集』)。判断の確実さへの進行なども表現します。「いよいよそれでござりました」(「狂言」)。

 

◎「いよたち(堅ち)」(動詞)の語源

「いよたち(愈立ち)」。語頭は「いよいよ(愈)」(上記)の「いよ」。「いよたち(愈立ち)」は、勢いをもって進んでいく印象で立つ、ということ。この動詞は後に「い」が落ち「よだち」になります。「気もいよだちぬそぞろ寒さに」(『永久百首』)」。「身の毛もよだつ」。