「いふき(射吹き)」。「い(射)」は動詞(10月(去年)12日(下記※))。「いぶき」と濁音にもなります。射(い)て吹(ふ)く、とは、射るように、直線的進行感をもって吹くこと。これは息を吐くこと、それも活力のあるそれを言います。「いぶく気息(いき)朝霧に似たり」(『日本書紀』:これは非常に多数いる鹿の群れの表現にあるもの。すなわち、これは鹿の息)。「吹き棄(う)つるいぶきのさ霧に成りませる神の御名は」(『古事記』:これは天照大神と須佐之男命(すさのをのみこと)の誓(うけ)ひにおける神の息)。

この「いぶき」(連用形名詞化)は活々とした呼吸からさらに活々とした生命活動一般を表現します。「春のいぶき」。

 

※ 語の要素になっている語の語源を一つ一つ詳しく書いていくと繰り返しばかりになり、文が冗長に長くもなりますので、こんな書き方になります。『音語源』にまとまってはいるのですが、とくにアメリカのSNS系サイトなどは、自分が管理するサイトネットワークの中に利用者を独占的に閉じ込め、外部サイトとの自由な連絡は遮断したいらしく、処理が面倒くさいです (『音語源』はそういうサイトネットワークには取り込まれていない自由なサイトにあります)。