「いさあききよし(いさ明き清し)」。「いさ」は曖昧に何かをごまかすような表現のそれ→「いさ(不知)」の項(11月24日)。「あき(明き)」はすべてが明晰・明瞭になること。「きよし(清し)」は純粋であること→「きよし(清し)」の項。「いさあききよし(いさ明き清し)→いさぎよし」は、「いさ…」というような、曖昧な、判断のつかない状態が明け明晰・明瞭になり清らかであること。意味は「きよし(清し)」に似ているわけですが、「きよし(清し)」はただ純粋であるのに対し、「いさぎよし(潔し)」は、『さぁ…』という曖昧な、ものごとが不分明な、ぼんやりとした霞(かすみ)がかかったような状態が明(あ)き、開(ひら)け(これは迷いがなくなり、という意味にもなります)、汚れ・夾雑物・不純物がなくなり、すべてが明晰・明瞭となり純粋であること。水や鏡や空(そら)などにも言い、人間性や考え・思い、行為などにも言

「高野山は……八葉の峰、八の谷、冷冷として水いさぎよしといへども…」(『曽我物語』)。

「汝は盗人なれども賢者なり。心の底いさぎよし」(『発心集』)。

「実に心を発せる人は……いさぎよく名利をば捨てて…」(『発心集』)。