◎「あらため(改め)」

 「あらた(新)」の動詞化。「あらた(新)」はその項(このブログでは2019.08.29)。「あらた(新)」の語尾に、他動動詞化する、「軽め」「薄め」等の語尾にもある、「め」があります。「確か→確かめ」のような変化。「あらため」は「あらた(新)」な状態を意思動態として現すこと。事態にそうした対応をすることは、調べる、探索する、というような意味にもなります→「宗旨あらため」。「また悲しさあらためておぼさる」。「いにしへの野中古道あらためばあらたまらむや…」(改めれば改まるか)。

 

◎「あらたまり(改まり)」

 「あらため(改め)」の自動表現。「あらため(改め)」が有る、という動態構成で生じています。意味は、「あらた(新)」な状態が意思動態として現される、ということなのですが、事態が悪化したり無秩序化したりすることではなく、「あらたまった場所」がだらしない服装や態度でいてはいけない場所を意味するように、多く、改善されたり整然化したりすることを言うのは、人の(少なくとも日本人の) 「あらため(改め)」という努力がそうした方向のものだからでしょう。病気や怪我の容態が悪化することも「あらたまる」と言いますが(「病勢あらたまる」)、これは不吉な表現を避けたのでしょう。ただしこれは漢語の「病革」の影響とも言われています。