「あゐゆふ(藍夕)」。藍(色)を思わせ夕(ゆふ)をおもわせる、ということですが、その体表の色彩印象による名。魚の一種の名。この魚の内臓や卵を塩漬けにしたものは「うるか(潤香):「潤香」は当て字」(語源に関しては『音語源』のその項)。「あい」とも言う。「ゆ」と「い」は交替します。漢字の「鮎」は神功皇后がこの魚を釣って征韓を占ったことによる和製漢字。中国語の「鮎(ニアヌ)」は「なまづ(鯰)」を意味する。つまり「なまづ」は中国語で「鯰」とも「鮎」とも書く。「あゆ」は中国語では「香魚(シエヌユ)」。
「松浦河(まつらがは)河の瀬光りあゆ釣ると立たせる妹が裳の裾(すそ)ぬれぬ」(万855)。