「ああいやに(『ああ』弥に)」。「い」は無音化しました。「ああ」は感嘆発声。「いや(弥)」は「いや増しに」などのそれであり、進行感を表現します。思いや情況が(際限なく)進行します。「に」は助詞。感嘆し際限なく進行し、の意。とても、や、ひどく、や、むやみに、ということです。「この御酒(みき)の 御酒(みき)の あやにうただのし(あやにとても楽しい)」(『古事記』歌謡41:「うただのし」は「うたてたのし(転楽し)」でしょう。「うたて(転)」はそのうち触れます)。「あやに畏(かしこ)し高光る日のみ子」(『古事記』歌謡100)。「あやにな恋ひ」(『古事記』歌謡4:むやみに、度を超えた激しさで、恋することはしないで)。