「あへやはし(合へ和し)」。動詞「やはし(和し)」は抵抗感を希薄な状態にすること。「子をあやす」は、子に調和しこれをなごませること。「ねかす子をあやしてていしゅしかられる」(江戸時代の川柳):これは子に調和してはいるのかもしれませんが、子の緊張を解き安心した思いにさせているのではなく、興奮させはしゃいだ状態にさせているのでしょう。寝てもらわないと女房は困る。

同音で「あえ(落え・熟え)」の他動表現の「あやし(落し)」もあります。意味は滴り落とすこと。「父のかばねに血をあやさん事も心うし」。