「あみふし(浴み伏し)」。対象を何かを浴び完全に覆い塞いでしまうかのような状態にすること。「ふし(伏し)」は他への働きかけも表現し、「あむせ(浴み伏せ)」も意味が変わりません。「像をあむし 具(つぶさ)に香花を設けて」。「念仏の僧に、湯沸かして、あむせ奉らんとて」。

「さし鍋(注ぎ口のある鍋)に湯沸せ子ども櫟津(いちひつ)の檜橋(ひばし)より来む狐(きつ)にあむさむ」(万3824:なんだこれ、と思うような歌ですが、酒席でいろいろなものにかけて歌を作れと言われ、遊戯で作った戯歌です。「こむ(来む)」と狐の鳴き声「こむ」もかかっているらしい)。