「あふせあわに(会ふ瀬泡に)」。水が会う瀬の(水の)泡が現れむなしく一瞬にして消えるように、すぐ、たちまち、の意。簡単に、や、動態として軽々しく、といった意味にもなります。
「山城の久世の若子(わくご)が欲しといふわれ あふさわにわれを欲しといふ山城の久世」(万2362:五七七、五七七の旋頭歌)。
「さを鹿の萩に貫(ぬ)おける露の白玉あふさわに誰(たれ)の人かも手にまかむちふ(どこかの人が手に巻くだろうといふ)」(万1547:「さを鹿の萩」は、「さを鹿の」は「いりの(入野)」にかかりますが、「さを鹿の」だけでそれを表現したということでしょうか。これも旋頭歌)。