この語やこれから推測される「あぶさふ(う)」は辞書の項目にもなっている語であり、「万4254」にある原文「安天左波受」の「天」を「夫」の誤字であるとして「あぶさはず」と読まれていますが、これは原文通り「安天左波受」であり、読みは「あてさはず」でしょう。「あて(当て)」は、配分(→「一人あて千五百(一人あたり千五百)」)。は「さはらず(障らず)」の「ら」の略記(当初から省略して書かれているのでしょう)。「あてさはらず(当て障らず)」は、当て(配分)が障(さは)る・支障が生じる、ことなく、平等に、の意。「食(を)す国の四方(よも)の人をもあてさはずめぐみたまへば」(万4254)。