「あひなみゑ(相な御餌)」。「な」は均質化した属性を表現する「な」(→『音語源』「な(助・副)」の項)。「ゑ(餌)」は食べ物。動物の「ゑさ(餌)」というわけではありません。食べ物一般を言います。「みゑ(御餌)」は尊い食べ物。「あひ」は「あひおひ(相生ひ・合ひ生ひ)」のそれのように複数主体に(二人なら二人に)同時的・合的に何かの動態があることを表現します。その「あひ」な「みゑ」を祀り食しもするのが「あひなみゑ(相な御餌)→あひなめ(相嘗)」ですが、それは調和化の儀式であり、何が調和されるのかと言えば、それは人と神であり、人と人であり、人と環境であり、自然であり、世界であり、すべてです。「あひむべ」とも言います。「あひぬむゑ」のような音が「あひむべ」になっています。「あひにへ(相嘗)」という言葉もありますが、「にへ(贄)」はその年収穫された食べ物(事実上、穀物でしょう)を意味します。