「あばらあれ(粗荒れ)」。「あばら(粗)」と「あれ(荒れ)」は『音語源』その項参照。「あばら(粗)」は散りばらけた印象を表現します。「あばらあれ」は、そうした、散りばらけた印象で荒れること。散りばらけた印象で通常の動態・形態秩序が破壊された情況になること。人や動物だけではなく(つまり、動態があばれるだけではなく)、ものや事象もあばれます(つまり、形状や状態もあばれます)。

「淋しくあばれたらむ葎(むぐら)の門(かど)」(放置され続けているような門が解体を予感されるような状態になっています)。「隣国にあばれし夜盗六人」(夜盗が無秩序な狼藉を働いています)。