「あふいあひ(合ふい合ひ)」。「い」はほとんど無音化しつつ「ふいあ」が「は」になっています。「い」は指示代名詞のようなそれ(『音語源』「い」の項)。「あひ(合ひ)」はそれだけで何かと何かの間(あひだ)の域を言い、「あひ(間)」と「あはひ(間)」はほとんど同じ意味で言われます。「この鹿の眼のあひの、例の鹿の目のあはひよりも近くて…」。「あふいあひ(合ふい合ひ)」は、合ふそれの合ひ(たること)。合いそうな合い。つまり、厳密に言えば「あはひ(間)」は「あひ(間)」よりも狭い(何かと何かはより接近している) 。「几帳どもの立てちがへたるあはひより見通されて…」。人と人の間柄(「似つかはしき御あはひ」)や時間と時間の間柄(つまり機会(「いくさといふ物は……あはひ悪しければ引く…」))をいうこともあり、「合わせ(例えば色や柄などの取り合わせ)」のような意味で用いることもあります(「袖口のあはひわろう重ねたる人」)。