地獄の獄卒鬼「アハウラセツ(阿傍羅刹)」の語頭がとられたもの。「阿傍羅刹(アハウラセツ)」は体は人で頭は牛。すなわち「あはう」は、牛のような頭の者、の意。それが知的能力が低く愚鈍な印象だったわけです。「あはう(阿呆)」はそのような人やことを言います。
「アハウラセツ(阿傍羅刹):「あばうらせつ」とも言う」は「アンフワウラセツ(暗府王羅刹)」の音変化。「暗府(アンフ)」は地獄のこと。「冥府(メイフ)・冥土(メイド)」に同じ。「暗府王(アンフワウ)」は閻魔大王のこと。「閻魔(エンマ)」はサンスクリット語に由来し地獄の王の名になっています。「羅刹(ラセツ)」もサンスクリット語に由来し地獄の獄卒がそう呼ばれ、その姿は、首から上が牛であったり馬であったり、怪物的に異形です。つまり「アハウラセツ(阿傍羅刹)」は地獄の王に仕える怪物的異形の獄卒。
「踊る阿呆に見る阿呆。同じあほなら……」。