「当て」の自動表現。「あて(当て)」は『音語源』のその項。「当て」の語尾がA音化し全体化・情況化し情況が作用していることを表現するR音によりその情況になっていることが表現されます。何かが何かに全的に思念的に同動感(「あて(当て)」の項)を生じた情況になること。全的同動感を生じさせる何かは人、物体、風、光、熱等、さまざまです。毒物もあります。たとえば、たまたま有毒だった牡蠣を食べて「あたる」。予期・期待・推量が現実と同動すれば、たとえば「予感があたる」。

連用形活用語尾E音の他動表現の活用語尾がA音化し活用語尾R音で自動表現になる例は、「下げ→下がり」「変へ→変はり」「埋め→埋まり」「締め→締り」「溜め→溜まり」など、多数あります。