「あつはた(熱端)」。「あつ(熱)」の「はた(端)」(その端(はし)あたりの周辺)。熱い(暑い)ほどではありませんがその熱が柔らかく感じられます。これに確認情況を表現する「か」がつくと「あたたか(暖か)」になります。他動的意思動態を表現する「め」がつくと「あたため(暖め)」になります。その自動表現は「あたたまり(暖まり)」。「あたたか」を心情的に形容詞表現することも行われていますが「あたたかし」(形ク)と「あたたけし」(形ク)の二つがあります。「あたたけし」は「のどか(長閑)」→「のどけし」、「はるか(遥)」→「はるけし」のような変化ですが、確認情況を表現する「か」に詠嘆的な主情感がある場合、これで客観的な形容表現を行う場合、語尾のE音化(外渉感)により独自の動態感を生じさせるということでしょう。「あたたかし」の場合、その「か」には詠嘆的な主情感はありません(ただ情況が確認されています)。