これは奈良県の一部の地域名です。推古天皇が即位したり(592年)、天武天皇の皇居があったり、そのほか歴史的にいろいろなことのあった地です。

「あはすかは(会はす川)」。「は」が退行化し「あは」が「あ」に「かは」が「か」になっているわけです。「あはす(会はす)」は「あひ(会ひ)」の尊敬表現。若い二人が会います。そこには川があります。「飛鳥川(あすかがは)」です。「あはすかは(会はす川)」は、お会いになる川の地、の意。若い男と女が会い、行く地。つまりデートの地です。ただしこれに関しては何の傍証もありません。そのように読めるということです。「明日香」「飛鳥」という表記は良い字を選んだもの。「飛鳥」という表記は「飛ぶ鳥の……」という「あすか」の枕詞に由来します(「春日(はるひ)のかすが」という地名「かすが」の枕詞がその表記になり「春日」を人々が「かすが」と読むようになるようなものです)。この枕詞は柿本人麻呂が作ったとも言われています。枕詞「とぶとりの」に関しては※『音語源』のその項。

 

※『音語源』のあるサイト http://kaitahito.world.coocan.jp/

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