「あ」の解放感が明るさを表現します。「さ」はS音の動感とA音の全体感により情況的動感を表現します。明るくなっていく頃、の意。「あさ霧」「あさ霞」「あさ雲」等の表現から「あさ」が夜が明けるころ、その直後ころを表す言葉として独立しました。ただし、明るくなり開放感が生じていくことを表現する「あせ(明せ)」(「あ」にアクセントはありません。アクセントは「あき(明き)」と同じ:客観的対象を主体とする自動表現)という動詞がありそれにより「あせあは霧(明せ淡霧)→あさ霧:明るくなると(日が昇ると)淡くなり消えていく霧」といった表現がなされた可能性もありますが、そのような動詞は資料にはありません。ここで「資料」とは文字で書かれた文書資料です。古くは、「あさ(朝)」という言葉はそうした複合語として用いられることが主だったのです。