「あきいりやみへ(明き入り止み経)」。「~いり(入り)」は「おどろきいり(驚き入り)」のそれのように、まったく~の状態になること。まったく障害や異物のない・開放感のある状態になり、(問題の)すべてが終わった状態を経過する動態になること。「御心(みこころ)をあきらめ給ひ」は物事がすっかり分かったり、疑問や気がかりだった問題が解消したりして心の中が明るく開けた情況になること(この用例では、不足を心配していた黄金が発見され心が晴れやかになった)。「道理をあきらめ」は道理を明らかにすること。「何事なりともあきらめ申さん」(何でも明らかにしましょう。すべて申し上げましょう)。鎌倉・室町時代ころの訴訟法では被告の弁明を「あきらめ(明らめ)」と言いました。事態を明らかにする弁明ということです。
これは(ものごとを)「あきらめ(諦め)」とは別語です。