「あかる」は「あけはれゐ(明け晴れ居)」。「れゐ」が「る」の音になっています。これが開放感があり何の障害感もなくなった状態にあることを表現します(「あけ(明け)」「はれ(晴れ)」に関しては※『音語源』のその項)。「あかるし(明るし)」はその形容詞表現。ここで表現される開放感は環境に光量・光度が増し視界が広がったり対象がより明瞭になったりすることによることが多いですが、心配事がなくなったりしたことによる心情的開放感であることもあります。
これを語幹とした「あかるみ(明るみ)」という言葉もあります(「不正が明るみに出る」)。この「あかるみ(明るみ)」の「み」は「しげみ(茂み)」の「み」と同じであり、「み(見)」。「あかる(明る)」を見ること、もの。
「祝詞」に「あかる妙(たへ)、照る妙(たへ)という表現があります。「たへ」は「栲」であり織物でしょうが、この「あかる」は動詞「あかり(明かり)」の連体形。心に開放感を感じさせるような清潔で爽やかな「たへ」。
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