エイプリル・フールの
風物詩
ファビオのグース事件
ファビオとは
愛称「ファビオ」ことファビオ・ランツォーニ(本名はイタリア語でファビオ・ランゾーニ)は、イタリア系アメリカ人で、1990年代に一時代を築いたファッション・モデル、俳優、複数の企業のスポークスマン、実業家、ベスト・セラー作家、ミュージシャン、スポーツマンとして、幅広いしかもそれら各分野のトップで活躍した人物として知られています。
ファビオがモデルとしていかに突出していたかを語るエピソードがあります。19歳でイタリアから単身アメリカに渡り、アメリカに到着したその48時間内で、アポなしで世界最大手のモデル・エージェンシー「フォード」に入り、契約書を持って出て行ったというのです。プロのモデルでさえ簡単には歩み寄れない場で、無名の若者がです。
また当時ファビオが「世界最大の写真家」と呼んだ、バリー・マッキンリーが「ギャップ」を立ち上げる際、ファビオを雇ったというのですが、当時の世界トップ男性モデルの受け取ったギャラより、ファビオのギャラは3万ドルも高かったそうです。
ヴェルサーチのモデルを務めたりしたことでも有名ですが、何よりファビオのキャリアで最もユニークで最も広く知れ渡っているのは、ロマンス小説のモデルとして表紙を飾ったことでしょう。その数は現在までに466冊またはそれ以上だと言われています。
でも最初本人は、ロマンス小説の表紙に自分の写真が使われたとは知らなかったそうです。米国版Wikipediaによると、マイアミのナイトクラブで踊っていたファビオに3人の女の子が声をかけてきたそう。「あなたは私達の本に載っている男性とまったく同じです」というので、彼は「それは良い口説き文句だね」と答えたそうです。やがて女の子達が本を見せに帰ってきた時、ファビオは「なんと、それは私自身だった」と驚いたそうです。
グース事件
さて、事が起こったの1999年の3月30日。エイプリル・フールに近いので、ジョークだと信じている人や、ジョークのように扱われるのですが、ファビオがジェット・コースターに乗っている時、ガチョウに襲われたというのです。
プロモーションのイヴェントでジェット・コースターの最前列に座っていたファビオが、帰ってくると顔が血だらけです。ファビオは3針を縫う怪我を負い、ガチョウはぶつかった衝撃で死んだそうです。
集まっていたメディアも人々もファビオにガチョウがぶつかったと思っていたようです。面白おかしく、ファビオがガチョウに顔を殴られたと言う人もいたみたいです。そしてそのフェイク・ニュースは多くの人に信じられていました。
実はファビオによると、群れの1匹のガチョウ(体重10ポンド=約4.5キロ)がジェット・コースターのカメラに衝突し、その壊れたカメラの破片がファビオの顔を切ったとのことです。ファビオは衝突時のビデオ映像が残っているはずだと言いますが、そのビデオは出てこなかったようです。
ファビオはトラブルは好きではないとし、テーマ・パーク側を訴えることはしませんでした。またテーマ・パーク側からも何の申し出もなかったそうです。しかし2018年、初めてファビオが口を開いた時、新たな事がわかりました。ジェット・コースターが池の上に差し掛かった時、眼下の池に何百羽のガチョウがいたそうです。ジェット・コースターはガチョウの通り道を邪魔するように作られていたのです。
強い男の好きなもの
ファビオは怪我を負った時、自分は幸運だったとし、まずこれからこのジェット・コースターに乗るであろう子供達のことを心配していました。
また事故直後には数社の法律事務所から、「テーマ・パークを訴えましょう。そうすればあなたに400万ドル、いや500万ドルが簡単に手に入りますよ」と話があったそうです。でもファビオは、「自分は与えられた仕事をしただけで、契約金は手にできます」と言って、その申し出は断ったそうです。
結局、前にも述べた通り、契約金は払われたそうですが、それ以上のものは、テーマ・パーク側からは支払われなかったそうです。
こんな彼は、男らしい、強い男ということで、男女共から人気があるみたいです。31台のスポーツカーを所有し、8 頭のロットワイラーの犬の父親である彼は、1959年生まれでずっと独身です。でも結婚したいと明かしています。理想の女性は「美しい魂の持ち主で、ユーモアのセンスがある人。スポーツ好きな人」だそう。
ちなみに筋骨隆々で知られる彼の定番のディナー料理は、日本料理。特に巻き寿司だそうですよ。