マデリン・マクカーンちゃん

失踪事件現在

 

 

Amazon.com

 

 

  事件のあらまし

 

2007年、わずか3歳の少女が、イギリスから家族で訪れたポルトガルのリゾート地で何者かによって連れ去られました。彼女の両親と友人達は事件発生の夜、長女のマデリンちゃんと双子の妹・弟をヴィラの部屋へ残し、ホテル前50mのレストランへ食事に出かけました。

 

友人が自分の子供の様子を見るついでに、マデリンちゃん達の様子を見に帰ってきたそうですが、ドアは開いていたけれども静かだったため部屋の中までは確認しなかったそうです。1時間後の夜10時30分、母親が子供達の様子を確認したところ、マデリンちゃんだけが消えていたそうです。

 

ホテルの部屋は1階で、ドアに鍵はかけられておらず、窓も開けっぱなしの状態で、誰でもが自由に入れる状況にありました。

 

両親(父親のジェリーと母親のケイト)は共に医者で、とりわけ父親の方は著名な医者だったこともあり、この事件ではお金持ちの両親にかなりの批判が寄せられました。「大体夜遅く子供達だけを残して、両親が外出するなど考えられない。庶民は子供達の面倒を見てくれる人間を雇うこともできない中、外食もせず子供達の面倒を自分達で見ているが、彼らはお金持ちでベビー・シッターを雇うこともできるのに」というふうに、単に失踪事件というだけでなく、とりわけポルトガル側の世論の反発を呼んだのです。

 

当初は、警察も両親を犯人ではないかと疑ったようですが、2008年7月には夫妻を容疑者から外しています。

 

 

  捜査の行方

 

 

一方ヨーロッパ諸国では、ポルトガル警察の初動操作の遅れが終始指摘されました。彼らは当初、これは失踪事件ではないと思っていたようで、ヴィラへの人の出入りを制限していないばかりか、部屋の出入りさえ制限していなかったそうです。つまりは証拠保全がなされていなかったわけです。その間、家族の知人やヴィラの従業員、捜査員もの人間に現場は踏み荒らされてしまいました。

 

また、現場周辺の検問も一切なされていませんでした。3歳といえば、夜目を冷ました時両親がいないと思ったら、一人で部屋を出て探すこともできると警察はそう思い、捜査が必要と確信が持てるまでに数時間もの時間が流れました。「若い男が女の子を抱えていた」そんな目撃情報もあったのですが。

 

両親がお金持ちだったことから、犯人に対する情報提供、事件への協力呼びかけに潤沢な資金が使われます。事件から12日後には「マデリン基金」を立ち上げました。また、「Find Madeline」というサイトも作ったり、YouTubeや様々なメディアを使って事件の解決を広く訴えたのです。

 

多くのイギリス人有名人がこの呼びかけに反応を示しました。実業家のブライアン・ケネディは捜査費用を提供しています。また「ハリー・ポッター」の作者J.K.ローリングも基金に1億円を超える懸賞金を差し出しました。サッカー選手のデヴィッド・ベッカムも人々に協力を呼びかけました。

 

そんな経緯もあって、イギリス警察とポルトガル警察の関係もギクシャクすることが多かったようです。

 

 

  事件のその後

 

 

迷宮入りかと思われていた事件は、2020年に急展開を見せることに。イギリスとドイツの警察がマデリンちゃん失踪事件の犯人として、1人の男の関与を公表したのです。

 

男は「クリスチャン・B」と呼ばれるドイツ国籍の当時43歳の白人の男(ドイツ国内の法律にのっとり氏名のすべては報じられていない)で、2005年にアメリカ人観光客の72歳の女性をレイプした容疑で、ドイツの刑務所に2019年から服役しています。また5歳の女の子に対する性犯罪歴や、麻薬の密輸にも関わっているそうです。

 

正式の調書から抜粋された内容によると、クリスチャン・B容疑者は友人に対し、「何か小さいものを捕まえて、何日もぶっ通しで使い続けたい」と話し、それは危険だと友人が返答したのに対し、「ああ、その証拠を後で破壊するとしたら」と返したとされている、そんな危険な思想の持ち主です。

(引用元)

 

クリスチャン・Bは現在も取り調べに対して、黙秘を通していいます。

 

肝心のマデリンちゃんの生存に関しては、ドイツ警察の見立てでは、「生きている可能性は低い」としているそうですが、少しでも真相が究明されることを願います。

 

 

イベントバナー