以下に示すものは

「日常的に猫と触れあう機会のある飼い主は

 猫が溶ける過程を体験することにより

 猫と共に幸福度が上がるのではないか」

という仮説についての観察実験である。

 

1)日常を家で過ごす対象の時間の大半は

主に住環境の観察に充てられていた。

特に変化の著しい動点を発見した場合には

両眼・両耳・鼻腔の三点に顕著な充血が見られた。

動点の種類によっては体毛の屹立が起こるようだ。

 

 

2)観察対象は短時間で目まぐるしく変化する。

対象の変化記録が完了すると、次なる対象を

補足する為に移動行動を取る場合がある。

その際、ヒジョーに訓練の行き届いた猫ならば

カイヌシに餌の要求を我意の要求を忘れない。

 

 

3)これは臨界点を超えた瞬間である。

長時間の観察業務による脳内酸素消費が著しく

加えてカイヌシの手が大きく触れたことにより

体表温度が上昇し、呼吸促進のための不随意行動が出現したようだ。

 

 

4)この実験の最終段階では驚くべきことに、4次元体への霊体移行が起こった。

体躯は緊張が解け、平坦に弛緩し、続いて観察業務を放棄した。

またこの時膝上に対象を乗せていたカイヌシにも変化が見られた。

驚くべきことに観察対象を自力で下ろすことが困難になったのだ。

 

 

「これは肉体的なものではなく心情的なものだった」

というカイヌシ本人による申告が、後に報告されている。

実験中のカイヌシは当初緊張を思わせる反応を示していたが

最終段階において肉体的に顕著な弛緩状態にあった。

また発汗量・呼吸数・心拍数いずれもリラックス状態を示し

さらに脳内ではアルファ波とシータ帯域の脳波が確認された

 

今回の実験結果により、”対象となる猫が溶けていく一連の過程において
心理的のみならず肉体的にも「幸福感を伴った」状態への変化が見られた”
 
以上が今回の観察実験の全様である。
評価会では大変有意義な実験であったと結論した。

また日本猫愛護協会、及び日本猫ねこ協会により

後日早急な論文提出を求められた点については

慎重な議論の末に承諾したことをここに付け加えておこう。

 

 

※かずまさん可愛い写真ありがとう。

 

※なお上記の観察論文はフィクションです。

 実在する猫や人物、団体等には一切関係ありません。