日常的に和服を着る女性を見かける機会は少なくなったが、浴衣についてはイベント用の衣装として一定の浸透を見せており、柄・素材とも多彩になっている。
平成の浴衣は、かつての湯上がり着の延長だった時代とは見違えるほど鮮やかでファッション性も高く、「ギャル浴衣」なども登場している。
デパートなどは開放的な水着ファッションと、隠して魅せる浴衣という二本柱で夏の商戦を仕掛けている。
ファッションとしての浴衣は男性にもある程度着られているが、女性ほど一般的ではない。
また、日常的に和服を着る男性は、女性と比べて少なく、作務衣・甚平が宗教関係者・職人など少数の男性に好んで着られているほかは、ほとんど見かけなくなっている。
一方で、男性の和服着用を推進する運動も、インターネットなどを中心に一部で起こっている。
1990年代後期からアンティーク着物(昭和初期以前のもの)やリサイクル着物(昭和中期以降)の店が激増し、雑誌を火付け役として女性の間で徐々に着物ブームが起こっている。
これまでと異なるのは、従来の約束事にこだわらず洋服感覚で着る人が増えたことである。
洋服地で着物や帯を作ったり、洋服と重ね着したり、足下にパンプスやブーツを履いたり、帯揚げにレースを使うなど新鮮な着こなしが楽しまれている。