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R・デニーロ主演『真実の瞬間』

ジョージ・クルーニー監督、出演
『グッドナイト&グッドラック』

両作品共にレッドパージ、いわゆる「赤狩り」を題材にした作品。
50年代冷戦下のアメリカに吹き荒れたマッカーシズムの猛威に立ち向かった男の姿が描かれている。


『真実の瞬間』ではデニーロ扮する映画監督(ジョン・ベリーがモデル)が共産主義者の疑いをかけられ、その圧力から仕事や財産、友人までもを奪い取られる。そんな状況下の中でも闘い抜いた主人公とそれを支えた家族の愛と苦悩を描いたヒューマンドラマ。

主人公を貶めていく圧力、罠、権力が水面下で働き、何もかもをねじ伏せていく描写は間接的な恐ろしさを巧妙に表現していて、それでも真実を貫き闘いながらもどんどん追い込まれていく姿は人格暗殺的に生々しく作り込まれている。
ラストシーンでは政府に強制召喚され喚問の場で友の名を売るか、ハリウッドを去るかの岐路で葛藤する主人公の心理描写が繊細且つ痛烈に描かれていて見所満載です。


一方の『グッドナイト&グッドラック』では“放送ジャーナリズムの父”と呼ばれる、実在したCBSの伝説のニュースキャスター(エドワード・R・マロー)が自らキャスターを務めるニュース番組「シー・イット・ナウ」でマッカーシズムと闘う姿が重厚に描かれている。

マスコミは報復を恐れて、この事案に対しては触れることさえ絶対的タブーとされていた風潮の中、エド・マローと番組スタッフは様々なしがらみと闘いながら番組で真実を訴え続け、人々は希望と誇りを取り戻していくが……といった内容。
まずこの作品がノンフィクションドラマだってところが凄いし、それを作品にしてしまうところがまた凄い。まるで架空のヒーロードラマを観ているような錯覚さえ覚えました。
こちらの作品は美しいモノクロ映像と高揚感を高める艶美なジャズで構成されているところもまた味わい深い。



もし、今の時代にエド・マローがいたなら一体なにを訴えかけるんだろうか?

そんな人間の根の根にある弱く儚い部分を問われる骨太な人間ドラマ2作品です。