連続ドラマW

松本清張ドラマ 『眼の壁』

6月19日から放送始まりました。


我らHey!Say!JUMPの薮宏太くん 久しぶりのドラマ

それもWOWOW

リーダイ クラシコに続きどれだけWOWOWと

縁が深いのか愛されているかと驚愕しましたが作品はあのサスペンスの大御所松本清張作品。

『砂の器』『黒革の手帖』など社会風刺をテーマにした数多くの名作を遺していますが、『眼の壁』は

1950年代に一度映像化して以来の今作。

今まで映像化されなかったのは何故だろうと疑問に

思うほどの名作ですが、原作は『砂の器』と比較すると叙情的溢れる人間関係が少なく社会風刺が複雑なサスペンスだからかなとも思いました。

とにかく松本清張ドラマには期待ばかりで

薮くん演じるのは詐欺師 堀口勝。

実生活の薮くんはウソが苦手とJUMPメンバー・ファンからも言われ、自身もそれを認めるくらいの

素直でウソをついてもすぐ表情に表れてしまうタイプ。オファーを頂いた薮くんも詐欺師という役柄に

驚いたかと思います(笑)

それはファン全員が思って いることで

薮くんも少し不安があったのでしょう、、

Twitterでファンの声をエゴサしたのも納得ですが

それは良い意味での不安と驚きなので薮くんも

笑い話として話してくれたと思います。


眼の壁 堀口勝という人物

 何十年か前に原作を初読みした印象は

年の功30代半ば

ギャンブルが好きで守銭奴 ずる賢く、偉い人の

権力を盾に生きている世渡り上手な嫌悪感溢れる悪人のイメージでした。

自分を捜していることを知った萩崎の存在を知り

存在を疎ましく思う堀口は事あるごとに萩崎を

注目し始めます。

多くを語らず睨みの表情だけで萩崎をけんえんする堀口という冷酷非道な人物。

薮くんが時おり見せる刺すような冷たく鋭い眼差しがここで活かされています。

睨むというより(あくまでも演技や求められて

ですが)薮くん特有の目ヂカラの強さをかわれての

堀口という役柄へのキャスティングでは

なかったかとさえ思います。

普段はふにゃふにゃ笑顔が特徴の最年長。

笑顔が薮くんのトレードマークだけど

『眼の壁』で堀口勝という今までに演じたことがない、見たことがない演技の振り幅が非常に楽しみです。キャスティングされた理由はそれだけではないと思っています。

監督さんは(多分です、多分)

薮くんの性格や人柄、今まで演じたドラマや舞台等の評判や顔を知ったうえで

敢えて今まで演じた役柄とは真逆ともいえる

堀口役に抜擢してくれたのかなと。

薮くんの人柄で「本当にこんな役、出来るの?」は

失礼な話で、素人の私が大口叩くのもまた失礼ですが役者は演技する。例えそれがキワドイセリフでも

自身のイメージとは大きくかけ離れていても

ひとたび自分が与えられた役柄としてスイッチが

オンになると自我を捨て役になりきる。

そして良い作品が生まれ成功した暁には自分の

自信にも繋がる筈です。


ドラマはまだ始まったばかりですがこの堀口

萩崎を巧妙に出し抜き冷酷非道な人物かと思いきや

2話で田丸を殺害してしまいます。

その良心の呵責に耐えかね

「萩崎が殺した…萩崎が田丸を殺した」

と震える声で繰り返す堀口

まるで手の震えを抑えるかのような自身があおったグラスに手を置く堀口

そんな堀口をいなさめるように堀口の手に自分の

手を重ねる絵津子

この展開には驚きました。

詐欺は当然、殺人さえも表情1つ変えないで行うような冷酷非道の人物だと、この時まではずっと思っていました。

その考えは偏見だった…

堀口はひょっとしたら弱い人物なのかもしれません。根っからの悪人ではなく根本は人を思いやる

気が弱い優しい人物だった。

堀口が萩崎を目の仇のように度々口にする辛辣な

言葉は萩崎を巻き込みたくない堀口の優しさの

裏返しなのでしょう。

そうとは知らず、ただ堀口を詐欺師として悪人として必死に追う萩崎。

堀口の本心を知った暁にはどんな結末が

待っているのでしょうか。

3話予告で監禁されている関野を堀口が救出する

シーン。経緯は不明ですが、関野監禁は堀口にとって不測の事態で救出するまでずっと気に病んでいた…

だが自身と絵津子の保身のため、周りの権力に屈し

歯がゆい思いでいた、、だからこその関野救出だった? これだけでも堀口が悪人ではなく優しさを

兼ね備えた人物だということが手にとるように

理解できます。

この事は2話放送後に発売された雑誌で薮くんも触れていました。


「堀口は人間としての優しさは忘れていないというか、残っているところは意識しました。

だからどこか怯えているような弱気な部分が表情に出るように意識しました」


生きる為(復讐のため?)にこの世界で仕方なく生きなくてはいけなくなってしまったかと…

思えば1話冒頭の1975年 火事のシーンで

「お父さん!まだお父さんが中に・・・」

と燃え盛る火の家にむかい泣き叫ぶ女の子

あれは絵津子ではないのでしょうか…

年の頃 15歳くらい?

それから舞台は1990年とありますので絵津子30歳くらいだと辻褄があいます。

何かしらの理由(恐らく詐欺や金銭に纏わる出来事)

で家族を失った絵津子と、これも過去に似たようなトラウマを持つ堀口が出会いお互いの因縁の相手が同じだと知り、舞台はクラブ月世界…

そこでマネージャーとホステスという仕事をしながら実はそれは隠れ蓑で 本性は

お互いに復讐のため裏の世界で生きている。


それは堀口自身が望んだことではないのだけど

絵津子の素性を知った堀口は

絵津子を護るために自らの意思を捨て

詐欺師という汚れ仕事に手を染めるようになった。

その根拠として作中で

絵津子は事ある毎に堀口と接点があります。

それはただの偶然、ホステスとマネージャーの関係

を装っていますが絵津子が堀口に投げかける淋しげでどこか哀しさも覚える視線

また堀口が絵津子を絶えず気にかける様子はただのホステスと

マネージャーの域を超えているかのように

感じます。

利害関係が一致した堀口と絵津子

ただの手形詐欺のストーリーではなく、複雑な人間関係の憎悪・情愛が複雑に絡み合ったストーリーだと汲み取れます。

これだけでも堀口勝という人物はただの詐欺師ではなく『眼の壁』作中のキーマンと言っても過言ではない…

そんな大役を薮くんが…感無量です。


詐欺師 堀口勝

まだまだ先が読めない役柄ですが

薮くんの怪演が光り

薮くんのこれからの俳優人生の大きな転機となる

役になると信じています。


薮くんのスーツ姿が拝めるだけでも必見な

ドラマなのに、普段はなかなか見れない蔑むような

睨みは本当に絶品…


第2話ラスト

指でウイスキーを掻き回すシーン

薮くんと堀口の冷徹さと色気が織りまじって

何とも言えない…🤤

マドラーを使うよりも映える仕草を

見せつけてくれてありがとう😭

これからの顛末が楽しみで仕方ないです