世界三大映画祭に数えられるベルリン国際映画祭が、あれよあれよという間に終わってしまいました。お祭りや行事というのはいつでも、終わってしまえばあっという間だった様に感じるものですね。

ゲーテ・インスティトゥート東京では、他都市のゲーテ・インスティトゥートと共同で、BerlinaleBlogger というプロジェクトを実施しました。端的に言ってしまえばベルリン映画祭をレポートするブログに過ぎないのですが、この企画のミソは、国際色と個性の豊かなブロガー独自の視点、というところにあります。

例えば、日本の記事執筆を担当してくださった長田紫乃さんは、幼少期をオーストリアとドイツで過ごし、東京大学に通いながら文学座で演技を学んだ、女優で翻訳者。20代で独自の劇団 „I.N.S.N.KIKAKU“ を設立し、舞台作品の翻訳も手掛ける、と、自分の周りを見回してみても、なかなか似たような経歴の人は居ません。

もちろん人は誰でも一人ひとり、たった一つの人生を送ってきていますから、誰が執筆者となろうとそれぞれ面白いものになったと思います。ただ、短期間の映画祭開催中に毎日何本もの映画を観て、記者会見を聴いて、監督にインタビューをし、その日のうちに記事を書き上げる無理をお願いしましたので、文章力、コミュニケーション能力、行動力、体力と、色々な面で要求が多かったと思います。学問と演劇活動を両立された長田さんはやはり適任でした。

こうして出来上がったブログ記事は、またそれぞれに個性的な執筆者を抱える各国のBerlinaleBlogger とリンクします。お互いに自分の国のブログに載せたいと思った記事はその国の言語に翻訳され、追加されていきます。今後、日本のページにも海外の記事が追加されていく予定です。日本ページの中で、特にお勧めしたいのは監督インタビューです。

インタビューを受けてくださったSABU監督、石井裕也監督、吉田光希監督は、各国各社からの取材に忙しい合間を縫って、お時間を作ってくださいました。

長田さんの努力と監督方のご厚意と、翻訳作業を経て、出来上がっていったBerlinaleBlogger 、機関の性質上、どうも閲覧数がパッとしません。

 

折角ですから皆様もご拝読ください。

goethe.de/japan/berlinaleblogger