赤ちゃんを葬儀屋さんに引き渡す日、この日が赤ちゃんを抱っこ出来る最後の日です。

霊安室から赤ちゃんを連れてきてもらい、夫と交代で抱っこしました。
やはり時間の経過と共に、少しずつ目のあたりが窪んできている感じがしました。
仕方ないね、もうこの身体は生きていなくて、魂は入っていないのだから…。

今日は泣かないぞと思っていても、どうしても私も夫も涙が出てしまいます。


本当はこんなこと言ったら赤ちゃんも困っちゃうのかもしれませんが、
「またパパとママの所に来てもいいんだよ」「待ってるね」「また来てね」「パパもママも、〇〇ちゃんのこと大好きだから何でもしてあげるからね」
と、何十回も言いました。

そして、夫も私も赤ちゃんにキスしました。


夫にそっくりの赤ちゃん。
可愛くて可愛くて仕方ありません。
この子を育てたかった。
こんなに可愛いのに、他には悪そうな所もないし、眠っているだけに見えるのに…なんでこんなことになってしまったんだろう??
どうしてこの子が生きてないんだろう?

心臓のたった一部分だけ、そこだけなのにどうして…。

でも生きて本人が苦しむより、産まれてすぐでよかったのかな…
お腹にいるもっと早い段階で亡くなるより、会えたからよかったのかな…

本人は産まれてすぐ天国に行くことになって、どう思ってるのかな…

いろんなことをぐるぐる考えますが、答えもないし、分かりません。




葬儀屋さんが来て、病院の一室に祭壇が用意され、私たちがお線香をあげた後、お世話になった看護師さん(助産師さん)、産科、小児科、外科の先生たちが次々と来てくれてお線香をあげてくれました。

こんなにたくさんのスタッフの方たちがわざわざ集まっていただけるとは思っていなかったので、驚きました。
看護師さんや若い医師は泣いている人もいました。
そして出棺まで見送ってくれました。
本当にありがたかったです。

病院では患者が亡くなったら、毎回関わったスタッフがお線香をあげて出棺のお見送りをするんだろうか?

死産や新生児死亡ってやっぱり珍しいことなんだな…。



出産して亡くなって2週間が経ちました。
今は家でゆっくりしていますが、あの約9ヶ月の妊娠期間は、病院での出来ごとはなんだったんだろう?と思います。

でも間違いなく幸せな、夢のような9ヶ月でした。