羽生選手の怪我について、小塚くんの記事が新聞に掲載されました。

その記事の内容に批判が出ていることに対して、


「耳障りのいい言葉しか聞きたくないんだろ」

「厳しいことを言う人も必要」

「怪我をおしての出場に対して冷静な視点、正論。どこがおかしいの」

「後輩を思いやった言葉だよ」


といった反論意見を見かけたんですが……



うーーん、私が文句言いたいのはそこじゃないんだ感があってモヤモヤしています。



他の方がどういう気持ちで批判しているのかはわからないけど、私は今回だけのことではなく、1年弱?彼の解説業に触れてきて、言葉の使い方(単語の選択・発言のタイミング・文章のまとめ方)にひっかかることが多いのが気になっています。



なんでこうつっかかるかというと、もし年明けのJスポでまたシングルの解説に入るなら、岡崎さんや中庭さんレベルの聞き応えある解説をしてほしいから。





去年の解説は本当に聞いてて悲しかった。




例えば、小塚くんが試合でイオチサロのStSqを渾身の力で舞っている時、アナウンサーがずーーーーっとStSqとは関係ないことをベラベラベラベラまとまりもなく喋り続けてたら、すごい嫌じゃないですか。

滑ってる選手に対するリスペクトなんか感じられないと思うんです。


それを彼は去年やった。有料放送で。


言葉の選択、文章の組立がうまくいかないから、まとまりもなく関係もない“おしゃべり”をStSq中に長々と聞かせ続けられた。


頑張って全身でプログラム表現をしようとしている滑走者と、それを無視しているかのようなおしゃべりの温度差が悲しくて、その選手の頑張りがないがしろにされてる感じが悔しくて、ちょっと泣きました(実話)。

そのスケーターさんのファンというわけではなかったんですが。



ステップの名手である小塚くんに、ステップをないがしろにしてほしくはなかった。




あと、下位の選手に関しては事前のリサーチもほとんどしてないんだろうなってのがわかるのが…。

有名選手に比べて内容があまりにも薄いし、演技後にその選手に対するまともな総括もないまま、雑談を始めてしまうこともあったのがとても気になりました。


地上波放送で、海外選手の演技後の挨拶中なのにバックヤードのスター選手を映し始めたら「おいっ…」って思うじゃん。


演技後に、聞き応えある総括をしないまま演技とは関係ない雑談をするって、それと同じじゃないかしら?

今滑ったスケーターに対する敬意を欠いた行為だと感じ、これもまた悲しくなりました。




岡崎さんや中庭さんは、最初の滑走者から最後の滑走者まで、分け隔てなくその選手の良さとか課題点を教えてくれる。

専門的な指摘を、わかりやすく簡潔な言葉で。



私は最終グループのスター選手だけが見たいわけじゃない。

地上波には出てこないような選手の演技や良さを知りたくて、Jスポーツに課金してる。

小塚くんにとっては世代も地域も違う、馴染みのないユーロ下位の選手であっても、敬意をもって解説してほしい。


ここでいう敬意ってのは、演技の邪魔にならないような短い言葉で、プロの視点から視聴者にその選手の魅力(良さも課題も)を伝えようとする意志・伝える技術を指しています。





また、一般の人が見るバラエティ番組で、「PCSとはどういうものなのか、どうやったら点が出るのか」っていう特集が組まれた時に、


「(演技終了後に)ドヤ顔してガッツポーズして、良かった風に見せるのもアリ」


って発言を楽しそうにしてたのね。



PCSってさ、誤解されやすいところじゃん…陰謀論の温床みたいなとこあるじゃん…デリケートなとこじゃん…


基本のルールがわかっているスケーターさんやスケオタばかりの空間で冗談で言うのとは違うと思うの…



そういう側面もあるかもしれない。

でも一般視聴者が大多数である地上波のバラエティ番組で発言すると、この言葉は変な誤解を生む危険性があるということを想像してほしかった。




直近では、今シーズン始まってからもう4ヶ月も経ったというのに、今季のルール改正について間違った解説記事を新聞に書かれていましたよね。

GOEのプラス項目とエラー項目について。


ある程度ルールを知ってるファンの中で「え…?どういうことなの?ずっと前からそうだったよ?」とざわつきました。

選手の誹謗中傷を日課としている陰謀論者たちにも、人を傷つける意図で利用されていました。



小塚くんが本当にルールを把握していなかったのか、言葉の使い方がおかしくて本来の意図が読み取れなくなってるのか、誌面を構成した記者が悪かったのか



理由はわからないけど、この誤った解説を信じてしまった人がツイッター上でも見受けられました。

プロの解説者が、全国誌面を使って間違ったルールを布教するってのはちょっとおかしいと思う。


私はとりあえず、「GOE幅が広がった影響を指してるのかな?」と無理やり推測したけども…。






色々書いてしまったけど、こんな感じで、小塚くんの解説業は


・事前リサーチ

・文章のまとめ方

・その言葉を発するにふさわしい場かどうかの判断

・その内容を説明するのに最適な単語の選択



が甘い印象で、意図が伝わりづらかったり、何通りも解釈ができたり、時には明らかに間違いがあったりと、そういうとこが毎回とても気になるんです。

何かしらのフォローがいる感じ。




「厳しいことも言う」「独自の視点でものを言う」という解説者であるなら、まず自分の解説仕事に対して厳しくあってほしい。




例えば、サッカーの戸田さんくらい解説者が視聴者に与える影響に責任感を持ち、徹底した事前分析を行い、言葉の質にこだわり、常に自己研鑽を怠らないような姿勢を見せている人が、言及対象に向けて厳しい視点・厳しい言葉を投げかけるなら説得力がある。


フィギュア界なら町田くんや織田くんかな?

自分の解説がフィギュア界の今後のためになりますように、という意思と責任感が、言葉へのこだわりとか事前リサーチの深さとかから伝わってくる。



でも私は、申し訳ないけども小塚くんが彼らほどのプロ意識をもって解説してるようには感じられない。

自分の仕事に対して甘い姿勢を見せてる人が、「厳しいことも言う」解説者であろうとするのはちょっと違うんじゃないかと…そう感じてる。




今回の羽生選手の怪我に対する記事についても、小塚くんが言いたいことを過不足なく、多くの人にわかりやすく伝えるために、考え抜かれた単語選び・最適な文章の組立方だったのかな?ってのが気になって。

本意ではないところで無駄な議論に発展しちゃうの、もったいなくない?

せっかくの「独自の視点」「1つの厳しい意見」なのに。



今回の記事の内容自体は1つの意見として理解はできる。

怪我を美談にするなという、小塚くんなりの他メディアへの牽制もあるのかもしれない。


言葉の問題も些細なこと。

でも「最適」ではない


これが1回目、2回目なら、ヤイヤイ言うほどのことでもないと思って私はスルーするんだけど。



新聞記事だから、小塚くんが口頭で解説したことを、記者の裁量でまとめてしまった可能性は大いにある。

でもそれならそれで、今までもこれからもこういう仕事はあるだろうから、記者に捻じ曲げられない伝え方・きちんとまとめてもらう姿勢を求めていってほしい…って願っちゃう。



勿論全部が全部不満ってわけじゃなくて、ステップの技術解説とか素人では見つけづらい良さとか、スケーティングの第一人者としての小塚くんの解説が入ったおかげで「へー!この選手すごいなぁ」って思うことも何度もありました。

羽生選手のターン時の課題指摘なども、なるほどなるほどと思いながら、彼の演技をさらに深く見るきっかけにさせていただきました。


だからこそ、上記のような部分が気になって。もったいなくて。





最初に戻るけど、とにかく私は


シーズン後半のJスポーツに気持ちよく課金したい!


「へ〜!自分では気づかなかったけど、そういう良さや課題点があるんだ」っていう面白さを存分に感じながら、第一滑走者から楽しみたい!


他のJスポ解説陣と同じように、小塚くんの解説も楽しみたい!




そういう気持ちがあって、彼の言葉の使い方や解説仕事について突っかかるようなことを偉そうに何度も書いてしまいました。

自分自身の偏狭さも問題であることは自覚しつつ…。

(気にならない人は気にならないようなことだと思うし、あの雑談解説が好きな方もいるので。)



読み返してみたら、本当に偉そう…。すみません。






ここまで書いといてなんですが、今年もJスポの解説に小塚くんがインするのかどうかは把握しておりません。

インする前提で書きました。