2016-2017シーズンで、個人的に印象深かったこと・想い出に残ったこと
①四大陸選手権FS、羽生選手の超絶リカバリーと単独3A
『Hope&Legacy』のテーマは、「自然」「森羅万象」の他に、「羽生選手自身のスケート人生」という側面もあったかと思います。
四大陸のHope&Legacyは、大きな得点源であるコンビネーションジャンプにミスが出て、見ているこちらが「これはキツイ…!」と思ってしまったところから、
(恐らくほとんど人が想像してなかった)4回転でのリカバリー、疲れのある後半で思考・体力・技術を総動員してジャンプ構成を組み立て直し、最後に単独3A…。
この、
窮地
↓
人の想像を超える対処法とそれを実行できる基礎能力・メンタル
↓
最後の最後で、彼が小さい頃から大切にしてきた3Aに帰結
という流れが、
図らずも「羽生選手自身のスケート人生」というテーマとメタ的に重なったように思えて、興奮とか混乱とか放心とか切なさとかで感情がグチャグチャになり、泣いてしまいました
本人にそういう意図はなかったと思うので、私が勝手にイメージを膨らませただけですが笑
この試合の直前に、アイスジュエルズvol5のインタビューを読んでいたことも大きかったかもしれません。
アクセルが好き、小さい頃から相当練習してきた という語りにつづいて
「4回転を何種類跳ぼうが、4回転の数を増やそうが、最終的にはアクセルをどれだけ確率よくきれいに跳びきれるかというのが、僕の中での1番の武器だと思います」
最後の3Aを美しく跳び切った時、この言葉が頭の中に浮かびました。
アイスジュエルズvol5
3Lzではなく、3Aの軌道を取り始めたとわかった瞬間に湧き上がったあの感情は、なかなか言葉では表せないし、これからもずっと忘れないです。
(Hope&Legacyのプログラムとしての味わいを感じるには、世界選手権やオータムクラシックかなって思いますが)
世界選手権SPのコンビネーションジャンプも、非常に羽生くんらしさを感じてグッときましたね。
②パトリック選手の進化
国別対抗戦で、初めてパトリックにファンレターを出すことができました。
「私はソチ五輪後にフィギュアにハマった。
あなたが競技に戻る決断をしてくれたおかげで、競技プログラムを滑るあなたをリアルタイムで追うことができる、それを見て感動する幸せを味わうことができる。
ありがとうございます。
どんどんと演技の難度も深みも増していくあなたのスケートを尊敬しています」
的なことをクソ下手な英語で書きました。
(あと、ブラックバードとジャーニーの好きなところをひたすら書きました)
世界選手権3連覇を成し遂げた人が、若手の追い上げを何年も何年も受け続けながら、それでも競技の世界で気持ちを切らさず自分のスケートスタイルの進化を目指すのは、並大抵の精神ではないよな…と思うのです。
特に昨シーズンは、新しい高難度ジャンプに挑戦したり、若手の演技から自分にフィードバックできることを探しているかのようなインタもあって、改めて「凄いなぁ」と感服しました。
③すみオデがきっかけで、ペアをもっと見たいと思うようになった
私自身の要領が悪く、どうしても毎試合全カテゴリーを見るのは難しくて、今まではなかなかペアを追うことができていませんでした。
しかし、NHK杯のすみオデのFS(https://m.youtube.com/watch?v=jhV2tSHt3oY)を生で見て、2人の集中力・終わった後の幸福感・あの会場の熱い雰囲気を肌で感じた時に、急に
「ペアすげぇぇかっけぇぇぇ‼︎‼︎‼︎」
と俄然興味がわきまして。
あと、どのグループもそうですが、スロージャンプ前のエッジ音の心地よさ。
ペアにしかないこの音がたまらん!
ということで、その後自分のペースでペアの試合もちょこちょこ見始めました。
④ポゴリラヤ選手の覇王色の覇気
これも生で見たNHK杯から。
曖昧にメモをとっていたせいで、SPだったかFSだったか演技のどのあたりだったかなど全く覚えておらず、自分でも半信半疑な想い出ですが…
リズムにノリやすい曲だと、応援の気持ちをこめて客席から自然と手拍子がわくじゃないですか。
ただ、“リズムにはノリやすいけど、今は手拍子のタイミングではない”ってシーンでも自然発生する時があります。
(私自身は自然な応援風景が好きなので、こういうのも全然アリ派ですが)
しかし、ポゴリラヤ選手の演技中、私の周りが一瞬そうなりかけた時、
彼女の動きの“““圧”””に支配されて、拍手しかけた手がスッ…とひっこめられた(ひっこめさせられた)瞬間があったように思…い………ま………す………………。
「この人が滑り始めるとリンクが縮んだように見える」っていう謎現象を起こすスケーターさんがいますが、ポゴリラヤ選手もその1人だなっていつも思います。
⑤NHK杯のホワベイ
またNHK杯ですが…
私含め、真駒内のホワベイに対する空気が毎日変わっていったように思えたのが面白かったので。
1日目のSD、演技と終わりの挨拶で2人のキャラクターに微笑ましい空気になる
↓
2日目のFD、素晴らしい「愛の夢」。
演技が進むにつれ、観客の集中力がどんどん2人の周りに凝縮されていき…
誰も身動きしない空間。
無音の瞬間にすら音楽の質量を感じられるような空間。
そして熱いスタオベ!
「この人たちいいわー!素敵だわー!」って気持ちが会場のそこかしこから感じられる空気
↓
3日目EX、登場した瞬間から「あっ、キタキタ、このカップル!」って感じの雰囲気。
もちろん3日間通しで見てる人ばかりじゃないですが、なんとなく彼らに対する愛着が日毎に変わっていった気がして、こういうのイイなぁ〜と思ったのでした。
今シーズンも『愛の夢』継続ということで超嬉しいです
⑥浅田真央選手の全日本FSと引退
リチュアルダンスはどちらも好きなんですが、特にFSのChSpとStSqの演じ分けが凄すぎて毎回圧倒されていました。
ChSpとStSq、違う人が滑ってんじゃないかってくらい。
結果的に最後の試合となった全日本FS。
ご本人的には思い描いていた仕上がりにはならなかったのかもしれませんが、
私は最後のLSpからのStSqのところで深くプログラムに潜り込まされ、
そして、終わった瞬間に左上のTESカウンターに表示された
ステップシークエンス
基礎点3.90
出来栄え2.10
の文字を見て、鳥肌が全身を駆け巡りました。
演技終わった瞬間に、BaseValueの最高点とGOEの最高点が揃ってパッと表示されるカッコよさよ…………‼︎‼︎‼︎
あとでプロトコルを見て、「満点だ…!」って喜びながら演技を振り返るのもいいんですが、
やはり演技見てすぐその評価が目に飛び込んでくる興奮はすごいものがあります。
TESカウンター付きで放送する形態の定着を図ってくださったフジテレビさんに感謝感謝です
引退会見見て、改めて稀有な人だなぁと思いました。
今後の活動も楽しみです。
とりあえずこんなところで。
あと、国別の演技を見て、樋口新葉選手のFSとラジオノワ選手のSPにも惚れました!)