先月、愛猫のタビオを見送りました。
愛猫といっても元保護猫で、いつから家の猫になったのかは定かではありませんが、3年以上は私の愛猫として一緒に暮らしてきました。
独特のオーラや風貌、声も性格も、すべてが特別な魅力のある猫で、相棒のゴロウと一緒にいつもポテンポテンと動いていて、何をしても可愛くて可愛くてたまらない猫でした。
でも特別な猫だった理由は、その魅力だけではなく、私の中で彼は外でいきる飼い主のいない猫、いわゆる野良猫の代表だったのもあります。
彼を通して、過去に出会った外で命を落とした猫や急に姿を消した(何らか事件事故に巻き込まれた可能性大)地域猫
、家ではどうしても保護できず仲間に保護してもらった猫、外から保護して看取った猫などを感じていたのです。
タビオを保護したのは今から約4年前ですが、家の近くで数年の間に2から3回ほど見かけたことがある程度の猫でしたが、
ある日足に怪我をして歩けなくなっていたところを見てしまい、
近隣の知り合いに捜索依頼を出しておき約一週間後に保護をしました。
ほとんど面識もない猫ですし、その場で保護できなかったら普通は諦めるものですが、
何故かどうしても諦めきれずに一刻も早く治療をしたかったのです。
ですが、治療だけしたらまた外に返す予定でもありました。
何歳かも分からない、去勢もせずに長年放浪していたような猫ですから、
家の中で納まるとも、また、納めようとも思っていませんでした。
また、外で生きる猫にも怪我をすれば治療を受ける権利があると思っていたので、治療のため一時保護をすることが当たり前でありたかったし、外に戻っても恵まれた環境で生きていけると思っていたので、絶対治療だけ、と自分に言い聞かせて保護をしました。
ですが、骨折していると思っていた足は、長期間に及ぶ傷の化膿が拡がり膿が溜まりまくっていただけで、傷の洗浄のため切開をしてもらい、しばらくは膿を出さないといけないのですぐには縫えず、とても傷が開きっぱなしの状態では外に放せませんので、
傷が塞がるまで家のケージで療養させることにしました。
傷が治ったら外に戻すのだからお互いに情が移るのは良くないし、という思いもあったし、とても大きな猫でしたから正直なところ怖かったのもあるので、馴れて欲しいとも思っていませんでした。
毎日ものすごい量の膿が出るのですが、ケージの掃除をするにもなかなか怖くて一苦労、色々工夫しながら、自分の身を守りながら、長い棒で牽制(叩いてませんよ
)して反対に追い詰めておいてその隙に大急ぎで汚れた敷物やシーツ、トイレを取り替えたりしてました。
いま考えると、タビオはそんなことしないでも向かってくるような猫ではなかったのですけど、大きな知らない猫を保護したのは初めてでしたから、私としても緊張の日々だったのです。
当のタビオはとても大人しく、暴れもせず鳴きもせず、ジーっと潜んでいる感じでした。
かといって、知らない場所で怖がってるという感じでもなく、初日から奇妙な音を立ててご飯を食べてました。(事故の影響で顎もずれていたのだと後で分かりました)
半年以上に及んで悪化した足の傷が痛かったことや、貧血もあったし、当時からひどい口内炎でしたので、寒い外での暮らしに疲れていたのかもしれません。
ケージの中でちょっとホッとしてるようにも見えました。
何だかこのこ、怖くない。
そう思うようになるには、そんなに時間はかかりませんでした。
威嚇はするものの、決して怖くないのです。
それでもビビリな私は素手で触るのが最初は怖くて、革の手袋で撫でてました。
そのうち素手でも触れるようになって、フリーにしてもスリスリ足元にいつもいるようになり、足の怪我も治って普通に歩けるようになったので、ダメモトで里親募集をすると、数日後にお申し込みがありました。
同じエイズキャリアの先住さんのお友達に中年以降のエイズキャリアを探していて、タビオに熱烈オファーでした。
(推定8歳以上で募集しました。)
お見合いにお越しいただき、とてもお優しく脱走対策も万全の方でしたのでタビオも幸せになれると信じて送り出したのですが、2週間のトライアルが終わり正式譲渡になった途端、タビオが食事が取れなくなり倒れているところを救急病院に運ばれたとのこと、実は先住のオス猫さんに追い掛けられると怖いようで、フリーにする度に具合が悪くなるのでケージから出せないとのことで、相性が悪いなら戻して欲しいとお願いして正式譲渡の撤回とトライアルを延長させていただきました。
ケージに入って2ヶ月経っても触らせず、怒ってばかりのタビオを思うと胸が引き裂かれそうに辛くて、若くて健康な猫のように時間がたっぷりあるわけでもない、タビオの残された時間はそんなに長くはないだろうからせめて安心できる環境でゆったり暮らして欲しかったので、話し合いの末に家に戻しました。
今でも当時の元里親さんの献身的な愛情に感謝しています。
タビオは帰った翌日からスリスリ甘えて、よく食べて安心したのですが、慢性腎不全の進行もちょうどその頃から始まっていて、口内炎のこともあるし、その後2度と里親募集しようとは思わなかったし、それで良かったと思っています。
その約2年後、同じく近所で足の悪い猫(原因不明)ゴロウを保護することになり、最初は共存はとても難しいと思ったのですが、気が付いたらいつも一緒の大親友になっていました。
ゴロウとタビオの周りにはいつも愛で溢れていました。
慢性腎不全と口内炎を抱えていましたので、通院や自宅での皮下補液は数年に及びましたが、比較的よい状態で生活できていたと思います。
昨年の冬から貧血が始まってからは安心できない時期に入ってきていたのですが、ネスプ注射の効果がしっかり出てくれたので希望もあり、食欲もそこそこあって普通に生活できていたのですけど、今年に入って腎臓の数値が更に悪化していくので、2月に静脈点滴のため一週間入院して治療をしたのですが、まったく効果はなく腎臓の機能が殆ど無くなってきていることは分かっていました。
退院後には別の感染症にかかったのか、食欲不振と嘔吐が続き、一時はもうダメだと思ったのですが、食欲も復活して元気になって喜んだのも束の間、今度は腎不全が最末期になってしまい、亡くなる一週間前から食欲も無くなり、徐々に動けなくなり、静かに息を引き取りました。
慢性腎不全で亡くなる猫はとても多いです。
効果ある治療が一般的にできるようになること、処方食だけでなく予防食の開発も願っています。
タビオは外の猫の最期の迎え方の理想だと掛かり付けの先生に言われたのですが、それはどうだか分かりません。
ただ家での暮らしは毎日とても幸せそうだったのは私も感じていたので、だからこそ、もっともっと長生きさせてあげたかったと思うのですけど。
タビオと、そしてタビオを通じて見ていた猫達みんなが生きていたことを忘れずに、これからもできることを継続していきたいと思っています。
Android携帯からの投稿
毎日ものすごい量の膿が出るのですが、ケージの掃除をするにもなかなか怖くて一苦労、色々工夫しながら、自分の身を守りながら、長い棒で牽制(叩いてませんよ
)して反対に追い詰めておいてその隙に大急ぎで汚れた敷物やシーツ、トイレを取り替えたりしてました。いま考えると、タビオはそんなことしないでも向かってくるような猫ではなかったのですけど、大きな知らない猫を保護したのは初めてでしたから、私としても緊張の日々だったのです。
当のタビオはとても大人しく、暴れもせず鳴きもせず、ジーっと潜んでいる感じでした。
かといって、知らない場所で怖がってるという感じでもなく、初日から奇妙な音を立ててご飯を食べてました。(事故の影響で顎もずれていたのだと後で分かりました)
半年以上に及んで悪化した足の傷が痛かったことや、貧血もあったし、当時からひどい口内炎でしたので、寒い外での暮らしに疲れていたのかもしれません。
ケージの中でちょっとホッとしてるようにも見えました。
何だかこのこ、怖くない。
そう思うようになるには、そんなに時間はかかりませんでした。
威嚇はするものの、決して怖くないのです。
それでもビビリな私は素手で触るのが最初は怖くて、革の手袋で撫でてました。
そのうち素手でも触れるようになって、フリーにしてもスリスリ足元にいつもいるようになり、足の怪我も治って普通に歩けるようになったので、ダメモトで里親募集をすると、数日後にお申し込みがありました。
同じエイズキャリアの先住さんのお友達に中年以降のエイズキャリアを探していて、タビオに熱烈オファーでした。
(推定8歳以上で募集しました。)
お見合いにお越しいただき、とてもお優しく脱走対策も万全の方でしたのでタビオも幸せになれると信じて送り出したのですが、2週間のトライアルが終わり正式譲渡になった途端、タビオが食事が取れなくなり倒れているところを救急病院に運ばれたとのこと、実は先住のオス猫さんに追い掛けられると怖いようで、フリーにする度に具合が悪くなるのでケージから出せないとのことで、相性が悪いなら戻して欲しいとお願いして正式譲渡の撤回とトライアルを延長させていただきました。
ケージに入って2ヶ月経っても触らせず、怒ってばかりのタビオを思うと胸が引き裂かれそうに辛くて、若くて健康な猫のように時間がたっぷりあるわけでもない、タビオの残された時間はそんなに長くはないだろうからせめて安心できる環境でゆったり暮らして欲しかったので、話し合いの末に家に戻しました。
今でも当時の元里親さんの献身的な愛情に感謝しています。
タビオは帰った翌日からスリスリ甘えて、よく食べて安心したのですが、慢性腎不全の進行もちょうどその頃から始まっていて、口内炎のこともあるし、その後2度と里親募集しようとは思わなかったし、それで良かったと思っています。
その約2年後、同じく近所で足の悪い猫(原因不明)ゴロウを保護することになり、最初は共存はとても難しいと思ったのですが、気が付いたらいつも一緒の大親友になっていました。
ゴロウとタビオの周りにはいつも愛で溢れていました。
慢性腎不全と口内炎を抱えていましたので、通院や自宅での皮下補液は数年に及びましたが、比較的よい状態で生活できていたと思います。
昨年の冬から貧血が始まってからは安心できない時期に入ってきていたのですが、ネスプ注射の効果がしっかり出てくれたので希望もあり、食欲もそこそこあって普通に生活できていたのですけど、今年に入って腎臓の数値が更に悪化していくので、2月に静脈点滴のため一週間入院して治療をしたのですが、まったく効果はなく腎臓の機能が殆ど無くなってきていることは分かっていました。
退院後には別の感染症にかかったのか、食欲不振と嘔吐が続き、一時はもうダメだと思ったのですが、食欲も復活して元気になって喜んだのも束の間、今度は腎不全が最末期になってしまい、亡くなる一週間前から食欲も無くなり、徐々に動けなくなり、静かに息を引き取りました。
慢性腎不全で亡くなる猫はとても多いです。
効果ある治療が一般的にできるようになること、処方食だけでなく予防食の開発も願っています。
タビオは外の猫の最期の迎え方の理想だと掛かり付けの先生に言われたのですが、それはどうだか分かりません。
ただ家での暮らしは毎日とても幸せそうだったのは私も感じていたので、だからこそ、もっともっと長生きさせてあげたかったと思うのですけど。
タビオと、そしてタビオを通じて見ていた猫達みんなが生きていたことを忘れずに、これからもできることを継続していきたいと思っています。
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