☆☆☆★★

2020年公開。
コロナ禍のもとで絶賛公開中。先日自殺した三浦春馬が出演しています。もともとこのシリーズは好きだったので劇場で観てきました。お客さん少なかったのは人気がないからなのか、コロナの影響なのか。
正直な話し、面白かったけど、本編、「ロマンス編」、「運勢編」ほどの面白さ、意外性はなく、少々肩すかし。大どんでん返しで「ダマされた~!」と客が頭を抱えるような展開にはならず。映画としては王道だけど、コンフィデンスマンJPとしては物足りなかった。
公開中なので詳しい話しはしないけど、またまた過去に因縁のあるキャラが多数登場。過去作を観ていたファンには嬉しい演出。三浦春馬も良い役でした。なんで自殺なんかしたんだか。レギュラーの東出昌大も、鬼女からバッシングを受けてるようだけど、売名のハニートラップの犠牲者なんじゃないかと思うんだがなぁ。それはさておき、ボクちゃん、大活躍でした。ビビアン・スーは久しぶりに見たけど、相変わらず可愛いなぁ。舞台はマレーシアという事になっているけど、オサカナのフウ一族は英才教育を施され日本語も堪能という設定なので、ほぼほぼ日本語での展開。登場人物も揃って日本人。うまく設定したもんだな(笑
今回はアイディアや脚本よりも、演技力に重点を置いた作品なのかな。それくらい長澤まさみの演技力が光っていた。コンフィデンスマンとしての演技力ではなく、長澤まさみとしての演技力。本作は騙しあいよりもダー子としての演技が重点的に描かれていたので、長澤まさみの演技力を堪能することができました。それと同時に、コックリ役の関水渚の演技力が秀逸でした。長澤まさみを相手に、まったく引けを取りません。上手に育てれば良い役者になると思うんだが。孤児がプリンセスに変わっていく過程は、本当に見事。わかりやすい演技が良いのか悪いのか評価は分かれると思うけど、決められた尺の中で完結するためにはわかりやすさは大切です。
正直、コンフィデンスマンJPでホロリとさせられるとは思わなかった。そういう意味では「普通の映画っぽい」良作ではあるんだけど、やはり今までのコンフィデンスマンJPを鑑みると、最後の最後で観客が「騙された!」と舌を巻くような展開がなかったのは残念です。確かに今まで騙され続けてきたから観客側もスキルが上がっていて「あ、これはひょっとして?」と疑ってかかるようになっているから、「ほらやっぱり」「予想通り」ってのはあるのかもしれないけど。できればさらにその裏をかいて欲しかったね。赤星に監禁された3人がフウ家の金印を差し出しように迫られた時に、リチャードとボクちゃんが「渡しちゃダメだ!」と言って時点で「え?金印は偽物?」とか思っちゃうもん(笑
当然、殺し屋も仕込みだと思うしね。
ただ殺された3人を目の当たりにして、赤星が「バカ共がぁ!」と涙を流すのはグッと来るものがあったね。さんざん騙されまくった赤星だけど、なんだかんだで知的な3人を気に入ってたんじゃないの?って(笑
それと違和感と言えば、最後にはなんだかんだで大儲けしていた3人が、今回は明確なゲンナマを手にしなかったのも消化不良感があるな。とりあえずコックリをプリンセスの座につけてフウ家の財産を押さえたとは言え、コックリは結構責任感が強いからフウ家の当主としての立場を自覚すればダー子達の言いなりにはならないんじゃないかな?
最後にネタバレが出てきたけど、一番の策士はフウ家当主だったんじゃないかな。そのネタを提供したのもダー子達だったというオチだけど(笑