☆★★★★
第一章2017年公開。
第二章2018年公開。
ゴジラのアニメ版。そもそもどうしてゴジラをアニメ化しようと思ったのか?その陳腐すぎる発想には疑問しかない。ゴジラは日本の誇る特撮怪獣映画である。どんなにCGが発達してしても、その根っこは「特撮」である。そのゴジラをアニメ化しようなどと愚の骨頂と言わざるを得ない。
未来の世界を描いたアイディアは、評価するにやぶさかではない。しかしながら、それがゴジラである必要はまったくない。ゴジラではない別の怪獣あるいは怪物の話しでも何ら差し支えはなかったはずだ。それをあえて「ゴジラ」として制作した意図は何か?単に「ゴジラ」の看板がほしかっただけなのではないかとさえ感じる。
20世紀末、世界中には突如として怪獣が現れ、人間社会のみならず地球上を蹂躙した。特にゴジラは文明も怪獣も区別なく攻撃する凶暴な怪物だった。時を同じくして地球への移住の機会を陰ながら伺っていた異星人が、地球そのものの危機と感じて地球人類にコンタクトをとってきた。やせ形長身で精神性や宗教観を重んじるエクシフ。頑強な体格で、高度な技術力を持ち論理的な思考をするビルサルド。彼らの協力をもってしてもゴジラを止めることはできず、ついに人類は地球を捨て、移住可能な惑星を捜す旅にでる。物語は22年後、移住可能と思われる惑星を見つけたものの、先遣隊は老人ばかりという人選にハルオ・サカキ大尉は「老人の厄介払いだ」と異を唱え、シャトルに爆弾を抱えて籠城するも結局は取り押さえられるシーンから始まる。それが地球でなくても大地で死にたいという老人達を乗せたシャトルは、大地に到達することなく大気圏で爆発炎上してしまう。22年の放浪に疲れた人類は、ハルオの主張する「地球に戻ってゴジラを駆逐し故郷を取り戻す」作戦を受け入れ、地球へとハイパードライブを敢行する。ところが帰還した地球は22年の間に2万年の時間が流れており、生態系は一変していた。ゴジラを生態系の頂点として、それをサポートするかのように生物は変化していた。怪獣が跋扈する地球を人類の手に取り戻すため、少数精鋭の部隊はゴジラに戦いを挑み、多くの犠牲のもとにこれを駆逐したかに思えたが、倒したゴジラは亜種で、本物のゴジラは2万年の時を超えて考えられないほどに巨大化し、再び人類の行く手を阻むのであった。
以上が第一章。第二章は、この戦いで傷を負ったハルオを助けたのは、地球の原住民だった。彼らは2万年の時を超え独自に進化した人型生命体で、言葉こそ通じないものの道具を用い、独自の宗教観を持つ。体に鱗粉をまとうことから昆虫から進化したものと思われた。彼らが使用する弓矢の鏃に施されたコーティングから、ビルサルドは2万年の時を超え、当時、設営しながらも起動に失敗した「メカゴジラ・システム」が稼働し続けていたことを知る。メカゴジラシステムは、いわば金属生命体で2万年の間、増殖し続け一大要塞を築いていた。これを用いて再びゴジラに戦いを挑む人類であったが、ゴジラの潜在能力はメカゴジラ要塞の破壊力をはるかに凌駕していた。
第三章が公開予定なので、それで決着がつくのでしょう。
何がダメって、ハルオが中二病かDQNにしか見えない。ゴジラオタクで可愛さ余って憎さ百倍パターン。とにかくゴジラ憎ししか頭にない。「ちきゅうはじんるいのものだヲ、ごじらとたたかってとりもどせばいいんだヲ」という主張にあっさり乗る首脳陣の脳みそもお花畑か?ハルオのその執念も怖いわ。ほぼストーカー並だわ。もはや狂気さえ感じるレベル。作戦行動も感情的だし、その指揮で死ぬのはハルオじゃなくて隊員なんだが?こんなDQNが上官なんて、地球脱出組も人材不足なんだろうなぁと同情さえしてしまう。
そこにもってきてゴジラの造形がダメ。やり直し。この造形って、ハリウッド版?少なくとも日本のゴジラのフォルムじゃないよね。だからタイトルも「GODZILLA」なのかな?だったら日本で作るなよ、日本版ゴジラの面汚し。設定もダメ、デカすぎるし凶暴すぎる。これもう「怪獣」じゃなくて「怪物」。ゴジラに対する「怖さ」がない。「恐怖と憎悪」それと「いかに攻略するか」というミッション性しかない。「怖さ」は「畏怖」であって「恐怖」ではない。その情緒的なものが全く感じられない。だからもう「ゴジラ」じゃなくていいじゃん、「ゴジラ」である必要ないじゃん。これが「ゴジラ」でないなら、それなりに評価できたもしれないよ。これを「ゴジラ」と言うから「は?ふざけんな!」て気持ちになるんじゃん。
第二章ででてきた原住民は「鱗粉」「双子」「祈りの儀式」等から、モスラのオマージュ?擬人化?第三章ではモスラ登場か?さらにエクシフの星を滅ぼした怪獣として「ギドラ」の名前が出てきます。第三章ではキングギドラ来襲か?まぁ本家へのリスペクトを感じなくもないけど、逆に本家を上手く利用しているのか、という気がしないでもない。だったらアンギラスやラドンはどうすんだよ?あの翼竜型の怪獣がラドンとか言うなよな。
なんかSF映画っぽい専門的な科学用語を多用しているから錯覚しそうだけど、評価できるのは22年のハイパードライブを用いた放浪によって、いざ地球に戻ってみたら2万年が経過していたという「ウラシマ効果」くらいのものだ。
酷評された「ゴジラ2000」も「ファイナルウォーズ」も十分に楽しめた私だが、本作に関しては「ない」と言わざるを得ない。ゴジラオタクなめんな。