☆☆☆☆★

2019年公開。
面白かった。なによりキャストが原作のイメージ通りで違和感がなかったのが良かった。最初は「また山崎賢人かよ!」と思ったし、キョウカイが出ないので観る気もなかったしボロクソ叩いてやろうと手ぐすね引いてた(笑
ちなみに漢字を検索するのが面倒臭いので、登場人物はカタカナ表記にします(笑
画の撮り方とかスケール感とか、三池崇史監督かと思ったら違った。演出はともかく、三池崇史監督の画は嫌いではないので、これはこれで評価できます。
原作はマンガ。原作も知っています。そこも踏まえての評価。前述の通り、登場人物が個人的には原作のイメージ通りで違和感なし。シンは、まぁ誰がやってもあんな感じにならざるを得ないかもしれない。セイ(ヒョウ)役の吉沢亮、ヨウタンワの長澤まさみ、カリョウテンの橋本環奈、セイキョウの本郷奏多、オウキの大沢たかお、みんな役がハマっていた。強いて言うなら、カリョウテンは最初は男の子だと思われていたが実は女性だったと途中でわかるので、ちょっと最初から女性っぽく、可愛すぎたかな、という感じはする。特に長澤まさみと本郷奏多はハマリ役。大沢たかおは、そのまま演じさせたのではオウキのイメージではなかったと思うんだけど、演出と撮影の仕方が上手くて、スケール感のある大男に仕上がっている。もちろん大沢たかお自身の演技力による部分も大きい。
2時間少々の尺に収めなきゃいけないんだから、原作に比べて「急ぎ足」な部分もあって、多少のご都合主義を感じなくはないけど、そこを差し引いてもストーリーに破綻も矛盾もなかったかな。
描かれていたのはセイキョウの内乱編。鑑賞後の感想だけど、確かにこの展開ではキョウカイを出してしまっては詰め込めすぎになるし、キョウカイの良さが活かされなかったかもしれない。もし続編があるなら、リョフイの反乱編になるだろうし、そこでキョウカイが新たに加わっても違和感はないか。
舞台は統一前の中国、7つの国が覇権争いをしていた時代。中華の歴史に詳しい人や、興味のある人がどう感じているかはともかく、なかなかスケール感のあるアクション映画だったと思います。特撮、ワイヤーアクション使いまくり、台詞も現代日本的ですが、逆にそこが親近感お抱かせ、違和感を感じさせないのかもしれません。なんでも忠実に作れば良いというものではなく、娯楽作品には娯楽作品なりの表現方法というものがあります。歴史映画としてとらえれば破綻もあるでしょうけれど、娯楽映画として観れば十分に堪能できる作品でした。
アクションやスケール感は申し分ないし、友情もあります。ただしロマンス要素は皆無なので、そこだけは期待しないように(笑