☆☆☆☆★
2018年公開。
タイトルの通り、家族のお話し。それにしても前作から何年経過しての続編だろうか?前作をほとんど忘れているんだけど、それでもこれだけで十分楽しめました。
いろいろ、現代的な問題が織り込まれていて、いろいろ考えさせられましたね。
家計を支えるのは男性で、男性が外に働きに出なきゃいけない、男性が一家の大黒柱で、それが男のプライドなんて思い込んでいるのは日本だけだと思っていました。男女平等で自由な発想の柔軟な国・アメリカではそんな古くさい思想は撲滅されていると思ったんだけど、本作を見る限りアメリカでもまだその理念は残っているようですね。ヒーローに理解のある富豪からの、広告塔として招待されたのは奥さんのヘレンと言うことで、活躍を自負していたボブはへこみます。慣れない家事と赤ん坊・ジャックジャックの世話、ヴァイオレットの異性問題、ダッシュの勉強と、家族の問題に振り回されてヘトヘトのボブ。ヘレンの活躍も素直には喜べない一方で、ヘレンの主婦としての仕事の大変さと彼女の偉大さも痛感します。
一方のヘレンはヒーローの世界でも男性優位社会である事を感じつつ、ヒーローとして活躍できること、人々から必要とされることに意義を感じ、活き活きとヒーロー活動にいそしみます。しかしその裏にはヒーローを闇に葬ろうとする計画が。
家族のあり方についてもそうですが、今回の敵であるスクリーンスレイヴァーが民衆に語りかける「おまえ達は画面を通してヒーローに依存しているだけ。自分では行動せず、汗もかかず、他人に頼っているだけ」という主張にも納得できる部分が多々ありましたし、ネットでなんでもできてしまう現代、匿名のネット社会で責任を果たそうとしない人々が跋扈する現代を、象徴的に形容しているようにも思えました。
最強のヒーロー達がマインドコントールされて、最強の敵になってしまうのは、よくある手法ですが盛り上がりました。一方で、操っているのがゴーグルだってわかっているんだから、無駄に戦わずにゴーグル外したらいんじゃね?とも思いましたね(笑
ゴーグルを外して正気に戻ったヒーロー達も、インクレディブル・ファミリーを手伝って客船の暴走を止めたらいいのに、とも思いました。パワー系や操作系も居ながら役立たずなヒーロー共だな、そりゃ「ヒーロー不要論」の世論が広がるのも仕方がないんじゃないか、とさえ思いました(笑
インクレディブル・ファミリーのお世話をする政府側のエージェント・リックは、その役割といい風貌といい、「メンインブラック」のトミー・リー・ジョーンズへのオマージュかな?
家族で観れる娯楽作品としては、かなり面白かったです。