☆☆☆★★
2003年公開。
大好きなペ・ドゥナ主演の韓国映画。感想を書いたつもりでいたんだけど調べてみたら書いてなかったので、改めて見直して書いておきます。
初めて見た時は、まだ韓国が歴史問題で日本にナンクセをつける前だったのかな、偏見なく見れたけど、乞食のようにゆすりたかりを繰り返し、言いがかりをつけるようになってからは韓国映画ってほとんど見なくなったな。そして今、こうしてみてもやっぱり違和感を感じてしまう。ペ・ドゥナは好きなんだけどね。
コメディと言うには中途半端な、イメージとしてはB級映画。これが韓国のコメディのセンスなら、やっぱり日本人には理解しがたいかな。振り切れてないというか中途半端というか、感覚な部分で「よくわからない、これって面白いの?」というモヤモヤが残る。単純に、韓国人の感覚ではなく監督のセンスの問題かもしれないけど(笑
お話しとしては、安マンションに住む若い准教授が、教授になるべくコネにすがるんだが、妊娠中の嫁は我儘三昧、ストレスの溜まる毎日にペット禁止のはずのマンションに連日連夜響き渡る犬の吠え声。たまりかねた男は犬を誘拐してマンションの地下にある粗大ごみ置き場に閉じ込めるのだが・・・。一方で犬の飼い主の少女は管理室に訪ね犬のポスターを貼る許可を取りにやってくる。対応したのがパートのペ・ドゥナ。少女に同情する彼女も、不安定な生活、理不尽な仕事にクタクタになっていた。そんな二人に、犬にまつわるトラブルが次々とふりかかるのだが。
日本には犬を食う文化がないので、理解できない、同情できない、感情移入できない点は多々あります。主役はペ・ドゥナだったのか、教授になりたい男だったのか?その演出はコメディなのか、ファンタジーなのか、イメージ映像なのか、判断に困るシーンもあります。わかりづらさと、予算をかけていないイメージもあってB級映画臭がします。好き勝手に振る舞っているかのように見える嫁が、実は内助の功があったなんて、そんなの全然わかんねーよ、伝わんねーよ、フザケンナってシーンもあって、これが韓国の文化なのかと唖然としました。こういう理解でいいですか?それとも演出がおかしいだけですか?
私は犬好きですが、出てくる犬は室内飼育の小型犬ばかりでキャンキャンうるさくてやっぱり感情移入できず、犬を扱う映画と言っても韓国と日本の違いを感じました。
やっぱり見所はペ・ドゥナかな。彼女にまつわるエピソードは、それなりに面白かったです。デブの親友も良い味出していました。こういうデブって、どこにでもいるよな(笑
コメディと言うよりも、風刺映画って言った方がいいのかな?劇中で「韓国人はルールを守らない」って言っちゃってる(笑
所構わず唾やタンを吐いたり、公共の利益よりも自分の都合を優先するシーンが多々見られる。作品を面白おかしく見せるための誇張もあるのかもしれないけど、実際に日常にそういう事があるからこうして映像に取り入れているんだろうなぁと思う。一方で、そういう身勝手な人達に振り回されて「ワリを食らう」人も韓国にだってやっぱりいるわけで、そういう良識があるが故に損をする代表がペ・ドゥナ演じる団地の管理事務所の職員なのかな。
冷静に考えれば、最終的に犬殺しの犯人にされてしまった浮浪者は、少なくとも劇中では犬を殺していない。ストレスからとは言え実際に犬を殺した准教授も、犬を殺して犬鍋を作っていた警備員も、何のお咎めもなしで終わる。それどころか准教授は見事に教授に昇格するし、警備員に至っては「連続飼い犬失踪事件」の犯人として浮浪者が逮捕されたことで、現場の関係者としてインタビューにしれっと応える始末。おいおい、実際に犬を殺してたのオマエラじゃん!浮浪者はたまたま捕まっただけで、オマエラも同罪じゃん、とツッコまずにはいられない。確かに浮浪者は警備員が作った犬鍋をこっそり食べてたし、ぺ・ドゥナによって未遂に終わったとは言え犬鍋のために犬を殺そうとしてはいたけどな。
いずれにしても韓国社会の日常や常識や倫理観が日本とは異なり、理解しがたい部分があると言うことだけはよくわかった。そしてペ・ドゥナが可愛いという事もよくわかった(笑