☆☆☆☆★

2017年公開。
私の世代だと「劇場版ファイナルファンタジー」と言われると3Dアニメを思い出してしまいます。CGで極限まで人間の演技に寄せようとして、結果的には「不気味の谷」をより強調したに過ぎず、大失敗に終わったアニメ界の黒歴史。全編は見ていませんが、確かにアレは最後まで観るのは辛かったのではないかと記憶しています。
今回の作品は実はファイナルファンタジー自体を映画化したものではなく、オンラインゲームとなったファイナルファンタジーを小道具として使った作品でした。
ザックリ言うと、いつの間にかすれ違い続けていた家族の気持ちをオンラインゲームを通して取り戻すというもので、テーマとしてはベタですが、オンラインゲームを通していうあたりに時代を感じますね(笑
私自身は手の込んだゲームは全然やらないしオンラインゲームもやらないので、その醍醐味はわからないのですが(笑
最初「光のお父さん」って、主人公の名前が「光(ひかり?ひかる?)」だと思ったのですがそうではなかったです。いわゆる「光の戦士」的な「光のお父さん」の事で、お父さんに英雄になってほしい、輝きを取り戻して欲しい、という主人公の願いでした。

仕事人間で昇格が噂されていた単身赴任中の父が、突然仕事を辞めて帰ってきた。戸惑う家族達だが、特に主人公のアキオは父にどう接して良いかわからない。子供の頃から仕事一筋で父との楽しい思い出が乏しいアキオは父との距離感を計りかねていた。アキオは参加しているオンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV」でパーティーのメンバーに相談し、仕事を辞めて時間を持て余す父にオンラインゲームを勧めることにする。それはかつてまだファイナルファンタジーがファミコンソフトだった時代に、アキオが初めて父に買ってもらったオモチャであり、父と一緒にプレーした数少ない思い出のゲームだったからだ。父はゲーム内のアバター・マイディーをアキオとは知らず、マイディーのアドバイスによって上達していく。やがて父は悩みをパーティーの仲間に打ち明けるようになり、仲間のアドバイスによって実生活でも父としての立場を取り戻していく。しかし実は父は病に犯されており、仕事を辞めたのもそれが理由。家族にも言い出せずにいたが、自分を奮い立たせるように難関のクエストに挑むのだった。

なるほどー、これが今時の家族の形かぁと思いました。とは言え、あり得ない話しでもないし、確かに共通の趣味を持つってのは距離を縮めますよね。最初アキオが正体を明かさずに、ってのはどうなのと思ったけど、頑固な父のことだからそれがアキオだと知ったら全然しゃべらなかっただろうし、ゲームも進まなかっただろうなぁ。匿名であればこそ素直になれるって事もあるし、ネット社会の匿名性はマスコミで取り上げられるような悪いことばかりではないね。最後はゲーム内でアキオが正体を明かすんだけど、父もそれを素直に受け入れて父子の絆を取り戻します。アキオは仕事で海外に赴任するんだけど、オンラインはどこでもつながっているので、ファイナルファンタジーの世界ではその後もアキオと父が一緒に冒険を楽しむ、というエンディング。えぇ話しや。
あまりストーリーに重要に絡んでくるわけではないんだけど、アキオの同僚の女性もアキオとの距離を縮めたくてファイナルファンタジーを始めて、彼女もまた遠距離ゲーム仲間としてアキオと一緒に冒険を楽しむ。これが恋愛に発展しないのもビミョーなところ。
妹役で山本舞香が出てるんだけど、相変わらず可愛いな。頑固な父、オタクな兄の間でバランスを取る役割。現代っ子の設定で兄と違ってリア充。それはそれで父を困惑させるんだが、こちらもパーティーの仲間からのアドバイスで解決。現実の生活でもミッションをクリアしていく感じですね(笑
なんかオンラインゲーム楽しそう、やってみようかなって気持ちになりました。まんまと思うつぼ?