☆☆☆★★
2014年公開。
まぁまぁ面白かった。
原作は少女マンガ?たぶん原作に忠実に、世界観を壊さないように気をつけて作っているんだろうなぁ、という印象を受けました。それ自体は好印象だけど、やっぱり2時間におさめるには駆け足になる部分やご都合主義になる部分があるのは仕方がないかな。ちょいちょいツッコみながら見ていました。
悪い人が出てこないので、安心して観れます。主人公の双葉が、快適な高校生活を送るために自分を押し殺してつきあっていた「友達」グループも、双葉が本音を語ることで離れていったものの、だからと言って双葉に意地悪をすることもなかったし(原作ではどうか知らないけど
馬渕を好きになった友達の悠里とも、とったとられたと気まずくなることもなく友情を継続できているし、双葉を好きになる菊地も、馬渕を頼る唯も、様々な波乱の種にこそなるけど、悪意はないしみんな優しい。そこが嘘くさい、リアリティがない、つまらない、アクセントにならない、と思う人もいるかもね。
個人的には新川優愛の美少女ぶりに萌えました。役の上でも沈着冷静でバランサー的な役割で、彼女自身の目立ったエピソードはないけど彼女がいるから場が締まるという印象を受けました。
馬渕の親友・小湊役の吉沢亮も良かったです。ヘラヘラしているけど友情には熱い男で、馬渕のため、友達のために裏に表に立ち回ります。
個人的に問題なのは馬渕役の東出昌大。うーん、なんの役をやらせても「東出昌大にしかならない」、悪いパターンが出た感じ。背がでかいのに猫背でボソボソしゃべる、東出昌大のイメージそのまんま。「あまちゃん」の若大吉や「僕は明日、昨日の君とデートする」の上山みたいな役もできるのになぁ。演出が悪いのか引き出しが少ないのか。役柄も、なんかスカした感じで好感度低い。俺様キャラかと思いきや、ボクが世界で一番不幸みたいなネガティブキャラになってみたり、ブレが大きすぎて感情移入できない。優しいと言ってしまえばそれまでなんだろうけど、あっちこっちに良い顔する八方美人ぶりも鼻につくし、そのために約束を破って双葉を振り回すのも男として納得できない。親を亡くした唯の痛みに寄り添ったとしても、それは唯を慰めているわけではなく、唯を慰めることで自分の痛みを慰めているだけでしかないし、お互いに傷を舐めあい依存するだけの関係にしかならないんじゃないのか。先にその事に気づいた唯の方が大人だったって事か。作品内で詳細に語られる事はないけど。
ラブロマンスよりも、友情の方が印象に残った作品でした。間違ったり傷ついたり迷ったり、誰かに恋したり誰かのために心と時間を費やしたり、どれが正解かはわからないけど大切な誰かに寄り添おうとする、それが青春だよ(笑