☆☆★★★
2018年公開、続編は2021年公開。
今のところ「クワイエット・プレイス」「クワイエット・プレイス-破られた沈黙-」の2作品が公開されています。両方観たので、2つまとめての感想。
音に鋭敏なエイリアンに侵略された世界で生き延びる一家の物語。1作目では一家の主が亡くなり、2作目では残された妻と子供たちが生き残るために戦う物語になっています。
いやまぁわかるよ、いろいろ事情はね。でも音を立てたら襲われる世界で子供を妊娠させるって倫理観がそもそも理解できないわ。それともエイリアンに侵略された時にはすでに着床してたって事なのかな?出産には音は付きものだし、新生児は泣き声を上げるものだろう。時系列はわからないけど、そういった極限状態での妊娠とかありえないわ。
という感想が真っ先に出てしまったので、申し訳ないけどストーリーに集中できませんでした(笑
末子は状況を理解できないのか、オモチャの音を鳴らしてしまい早々にエイリアンの犠牲に。長女は難聴が幸いして音のない世界での生活に不自由していないけど反抗期なのか勝手な行動で両親にいらぬ手間をかけさせる。長男はヘタレで全然家族の助けにならない。そんなチグハグな家族が、それでも生き残りをかけて四苦八苦する物語。極限状態なんだから、もっと協力し合えよ、家族だろ、と思ってしまいました。
こんな世界に産み落とされた新生児には、気の毒な想いしかありません。
それはさておき、家族がすれ違いながらもお互いを思いやる物語としては、胸に来るものがないとは言えません。家族の想いを、この極限状態でしか描けないというのはどうなんだとは思いますが。
1作目は家族と子供たちを守るために、父親が犠牲になって幕を閉じます。長女は少しは家族に心を開き、長男は少しは勇気を持つようになります。
2作目は、この世界がどうしてこうなったか、というストーリーから始まります。言っちゃなんだけど、エイリアンが視覚を持たず聴覚のみで行動するって事がわかった時点で、対策の立てようはあったような気がするんだけど。とりあえず、ほぼ人類は全滅した世界です。1作目は家族の成長というか、レベルアップのような物語でした。2作目は拠点としていた農場から脱出して外の世界に向かう物語になっています。1作目は家族で孤軍奮闘していましたが、2作目では他の生き残りとの共闘を模索します。この家族に巻き込まれる形で協力者が登場しますが、そのおかげでエイリアンの危機にさらされます。協力者が主人公家族のせいで犠牲にされたら目も当てられないなぁと思っていたんだけど、そうはならなかったので後味の悪い思いはせずに済みました。
1作目が「エイリアン」のような、見えない脅威にさらされるSFホラー的な演出だったのに対して、2作目はアクション要素が強くなっています。見えない敵に怯えるだけでなく、脅威を排除しようという能動的な物語になっています。見せ方としては2作目の方が面白みがあるかな。
聴覚障害の娘が着けている補聴器のハウリングがエイリアンの弱点だと設定はいいんだけど、どうして今までそのことに気づかなかったんだろうか?世界中の識者、科学者は間抜けなのか?どうしても物語の世界観に没頭できず、現実的に考えてしまうなぁ。
いずれにしても「音を立ててはいけない世界」で、主人公家族の生活に整合性がなくて、あまり感情移入はできませんでした。