ところが、徴兵令布告の文面に「血税(徴兵を意味する)」という耳慣れない言葉が使われていたため、「検査で生血を搾られる」という噂が広まり、西日本を中心に「血税一揆」と呼ばれる徴兵令反対の暴動が起きた。
もっとも暴動の背景には、こうした勘違いだけではなく、農村の労働力低下と免役条項への不満もあった。
免役資格は代人料270円を納入できる者とされるなど、富める者に有利な内容であったため、貧しい農民たちはこれに猛反発したのである。
徴兵令制定から1年ほどの間に、全国で20件近い「血税一揆」が起き、岡山県で起きた「美作(ミマサカ)の一揆」では、約2万6000人が処罰(死刑15名を含む)されている。
また、「徴兵免役心得(チョウヘイノガレノココロエ)」なる徴兵逃れのマニュアルはベストセラ-となった。
写真は、徴兵免役心得。
