戦国時代において急に知らせる手段は、早馬や狼煙などに限られていた。
しかし、敵に囲まれた状況下では早馬は出せず、狼煙を上げれば居所を知られてしまうという欠点があった。
そこで登場したのが軍用犬である。
日本で初めてこれを使ったのは上杉憲勝だ。
居城の松山城が北条氏の軍勢に囲まれた際に、訓練した犬に密書を結び付けて友軍の岩槻城(埼玉県さいたま市)まで走らせたのである。
犬は見事に包囲網をくぐり抜け 岩槻城主の大田三楽斎のもとに密書が届けられた。
三楽斎はすぐさま応援に駆け付け、憲勝は難を逃れることができたのである。
1561年
松山城(埼玉県吉見町)の攻防戦(北条氏対上杉家)で、初めて軍用犬が用いられる。