豊臣秀吉が鋳造させた天正大判は長径が約17.5cm、重さは約165gもあり、現存する金貨では世界最大のものである。
金の含有率もおよそ75%と当時としては高く、史上最も豪華な通貨などと言われている。
たった1枚で米40石(1石は1人分の年間米殻消費量)が買えたとされ、現在の貨幣価値に換算すると400万円ほどに相当するという。
しかし、あまりに高額なため、この大判が一般に流通することはなかった。
天正大判の鋳造は、もっぱら秀吉が己の権勢を諸大名に見せつけるために行ったものとされ、秀吉が聚楽第に公家や諸大名を招いて行った「太閤の金縛り」(1589年)では、4700枚もの天正大判をばらまいたという記録が残っている。
ただし、この天正大判は、金の含有率と形状を一定にした日本初の貨幣であり、日本の貨幣史上においては画期的なものだったのである。
1587年
豊臣秀吉が、天正大判を鋳造させる