7月30日、東宝久々の大作怪獣映画「モスラ」が公開された。巨卵から生まれ、幼虫、繭、成虫へと4段変身を遂げる巨大蛾が全世界を翻弄する。
「モスラ」は、南海の孤島インファント島の守護神である巨大蛾モスラが、東京や架空の大国ロリシカで大暴れをする大怪獣映画だ。
喜劇俳優のフランキ-堺が主演しているせいか、コメディ-的なシ-ンも所々に挟み込まれていて、今までの怪獣映画のような暗さは感じられず、全体的に明るい雰囲気に仕上がっている。
それにモスラは、もともと平和を愛するおとなしい怪獣だし、成虫になると色とりどりで非常に綺麗なので、男子ばかりでなく、女子にも人気があるようだ。
とはいえ、その巨体がもたらす破壊力は、過去のどの怪獣よりも凄まじく、移動するだけで、家々やビルがことごとく破壊されていく。なにしろ、幼虫の体長が180m、成虫の翼長が250mもあるのだ。あのゴジラでさえ、身長50mだったことを考えると、いかに巨大かがわかるだろう。
帝都の誇り東京タワ-も、モスラが繭を作る絶好の標的とされ、竣工わずか3年にして倒壊させられてしまう。そして成虫となったモスラは、ラドン以上の翼の衝撃波であらゆるものを吹き飛ばし、悠然と大空に飛び立っていく…。
そのスケールの雄大さと優雅さが、モスラの魅力。物語全編に漂う神秘的なム-ドもいい。見終わったあと、久々に満足感を味わえる傑作映画だった。