タバコは新大陸の発見によってスペインやポルトガルにもたらされたが、当初は主に観賞用植物として栽培されていただけで、喫煙は野蛮な異教徒の習慣であるとしてヨ-ロッパでは定着しなかった。
ところがフランスのジャン・ニコが任地のポルトガルからタバコの種と葉の乾燥粉末を故国に持ち帰り、皇太后のカトリ-ヌ・ド・メディシスに献上したところ、皇太后は頭痛に効く特効薬として愛用するようになった。
これにより、フランス王室では嗅ぎタバコの習慣が流行。その後、タバコは万病に効く薬と考えられ、喫煙の習慣は16世紀末までにヨ-ロッパ中に広まった。
タバコに含まれる成分はニコチンだが、この名称は、フランスにタバコを伝えたジャン・ニコの名にちなんで付けられたものである。
1559年
ポルトガル駐在のフランス大使ジャン・ニコがフランスにタバコを伝え、喫煙の習慣が普及する