1493年、コロンブス一行が帰国すると、スペインのバルセロナで奇病が発生した。関節に腫れ物が発生し、精神異常に陥り死に至るというものであった。
奇病は数年後にはイタリアに広がり、ドイツのケルンでも「聖ヤコブ病」と呼ばれて大流行した。やがて性交渉によって感染する伝染病と判明したが、有効な治療法は見つからなかった。
この病はカリブ海諸島の風土病であった梅毒で、コロンブス一行のクル-が現地の女性から感染し、ヨ-ロッパに持ち込んだものと考えられている。
その後、梅毒は、16世紀初頭には中国まで広がり、1512(永正9)年には、早くも日本まで到達した。