生理学の祖とされるジャン・フェルネルは優れた天文学者としても知られる。天文学の分野で彼が残した最大の業績は地球の円周を測定したことだが、その方法はとても原始的なものであった。
フェルネルはパリからアミアンまで旅をし、馬車の車輪の円周と回転数から2都市間の距離を計測。その上で両都市の太陽の南中時(太陽が真南にあるときの時刻)の角度の相違から、子午線(同経度を結ぶ地球の円周)の長さを算出したのだ。
これは古代ギリシャのエラトステネス(紀元前275~前194年)が行った測量方法と同じだが、現在知られている地球の円周(約4万km)より0.1%長いだけのきわめて正確なものだった。
1527年、フランスの医学者・天文学者のジャン・フェルネル(1497~1558年)が地球の円周を測定。