昭和33年は「こだま」以外にも話題性のある列車が登場した。
まずは国鉄の「あさかぜ」。同列車は戦後初の寝台特急列車として、昭和31年より東京・博多間で運行されていたが、本年10月1日、新型車両に切り替えられた。
この車両は全車冷暖房完備で、寝台などの設備も非常に豪華なことから、「走るホテル」とも呼ばれている。
また一部の鉄道ファンは、その車体色が青いことから、「あさかぜ」を「ブル-トレイン」なる愛称で呼び始めているらしい。
なお、新型車両採用前の「あさかぜ」が登場する推理小説「点と線」(松本清張著)も、本年刊行された。
私鉄にも豪華な車両が登場した。近畿日本鉄道ぎ開発した日本初の2階建て特急「ビスタカ-」である。7両編成のうちの2両に、2階建ての展望室が設置されている。
同車は本年7月11日より運行が開始され、大阪の上本町と伊勢の宇治山田間を1時間54分で結んでいる。