には深い意味がある。三日月
は欠けた月、まだ満ちぬ不完全な形、それこそ人の心であるという意想だ。今は欠けていても、いつかは満ちる時が来る…たとえ悪人であっても…。それが月光仮面の願いであり、だからこそ、ベルトに差し込んでいる2丁の自動拳銃にしても、敵に致命傷を与えるためではなく、威嚇、または武器を使えなくするために使われるのだ。
「憎むな、殺すな、赦しましょう」
悪人を倒すのではなく、懲らしめる。二度と悪事を働かず、更正してくれればよい。敵を殺すことを目的とする主人公は多いが、こうした理想を掲げる月光仮面は一線を画している。