ル-・テ-ズ来日の直前、力道山を散々苦しめたのが、「黒い魔神」ボボ・ブラジルだ。
身長2m、黒光りする引き締まった肉体の持ち主で、硬いヤシの実さえ打ち砕くという強烈な頭突きは、日本中を恐怖のドン底に叩き込んだ。
8月14日、東京体育館で行われた力道山対ブラジルの初対決は、序盤こそ力道山のペ-スだったが、1発の頭突きで形勢逆転。力道山は血だるまにされてしまった。ゴツンゴツンと鈍い音をたてる頭突きは本当に痛そうで、あの力道山が泣きそうな顔をしていたぐらいだ。
その後、試合は頭突き対空手チョップとなり、力道山は勝つには勝ったが、ブラジル恐るべしを印象付けた一戦だった。
ところでこの試合、私は東京に遊びに来ていた九州の友達と一緒に観戦していたのだが、私が「ボボ、ボボ~」と口にする度に、友達は顔を赤らめていた。なぜだろうか?ちなみに友達は女性である。